#導入事例
ヘルプデスク/問合せ管理

三菱電機システムサービス株式会社
三菱電機システムサービス株式会社様

ITILベースのサービスマネジメントを導入し
年間約3400件に上る「サポート保守業務の品質向上」を実現

三菱電機の家庭電化製品・産業⽤電気機器などのアフターサービス会社として設⽴された三菱電機システムサービス株式会社。創立から60周年を迎えて、現在はアフターサービスの経験で培った技術力とノウハウを活かし、コンサルティングからシステムエンジニアリング事業(システムの提案・設計・施⼯・保守)にも力を注いでおり、総合エンジニアリング企業として注⽬を集めている。
同社は、多彩な事業の⼀環として映像情報通信ソリューション事業を展開しており、シスコシステムズ社製のビデオ会議ソリューションを提供している。そこで⼒を注いでいるのがITILベースのサービスマネジメントによる保守サービスのサービスレベル向上だ。
ITサービス管理ツールとしてクレオの「SmartStageサービスデスク」を導⼊して、サポート業務の大幅な省力化を実現するとともに、オペレーションの標準化・保守情報の⼀元管理と可視化・レポートや伝票の⾃動作成などに成果をあげてきた。
この記事では、同社の映像情報通信事業推進センターネットワークシステム事業推進部ビデオコラボレーショングループでサービスマネジメントの向上に取り組むキーマンに詳しい話をうかがった。

SmartStageは自社の業務プロセスを、
そのままシステム化できるほどの柔軟性を持っていました

まず三菱電機システムサービスの映像情報通信事業推進センターネットワークシステム事業推進部ビデオコラボレーショングループでマネージャーを務める赤木雅之⽒が、同社の事業概要を説明してくれた。
赤木氏は、今回のSmartStageの運用管理者となっており、導入時は製品レビューに携わった。
「現在、同社ではコンサルティングからシステム設計・施工・保守までワンストップのシステムエンジニアリングサービスを提供しています。その事業分野は、家庭用電化製品、住設用電化機器、FAシステム、産業用ロボット、監視セキュリティシステム、ビデオ会議システム、電話システム、ネットワークシステム、デジタルサイネージシステムと非常に多岐に渡っています」(赤木氏)
ビデオコラボレーショングループでは、シスコシステムズ社製のコラボレーション製品によるビデオ会議ソリューションを中心に展開しており、テレワークやリモートワークに最適なWeb会議(Cisco Webex)、専用会議室に設置するビデオ会議専用端末(Cisco Webex Devices)、を公共や大企業を中心に全国へ提供している。
「営業拠点となる9つの支社支店が北海道から九州まで全国にあります。私たちが所属するビデオコラボレーショングループでは、ビデオ会議ソリューションを中心とした事業統括と事業推進活動をおこなっております」(赤木氏)

保守業務のプロセスと情報をSmartStageで一元管理・可視化を実現

ビデオコラボレーショングループで課長代理を務める松木貴志氏が、現在の保守業務のプロセスについて詳しく説明してくれた。
松木氏は、SmartStageの導入に関してツールの選定からプロジェクト管理まで担当し、現在はシステムの運用を担当している。
「今回導入したサービスデスクツールは、弊社のコラボレーション事業の保守業務を対象にしています。
支社支店でお客様からお問い合わせを受け付けて、それをITILベースにしたインシデント管理からリリース管理までのプロセスを実装したSmartStageで管理しています。
また保守業務を実施するにあたり、一連のエスカレーション機能もSmartStageで実装しています。
私たちビデオコラボレーショングループが実施している、支社支店の保守業務をサポートする<サポート依頼>、サービスセンターが実施している、故障機器の交換をメーカーに請求する<RMA依頼>、メーカーにエスカレーションする際の「ケース管理」がその機能です。
保守業務における各プロセスとその情報がSmartStage上で一元管理・可視化されています。」(松木氏)

保守サービスの品質を向上させたいとサービスマネジメントに取り組む

では、サービスデスクツールを導入する前、保守業務はどのような課題を抱えていたのだろうか。
「従来の保守業務は、支社支店で保守業務の管理方法が現場任せになっていました。個々のお客様からの問い合わせは電話やメールで受付けていたのですが、それを支社ごとにExcelで管理表を作っている場合もあれば、担当者の個人メールのなかに分散している場合もあるといった状態でした。」(松木氏)
このような保守業務が、支社支店で年間に約1200件、ビデオコラボレーショングループの<サポート依頼>で年間約1500件、サービスセンターの<RMA依頼>で年間約700件あったという。
「依頼を受けたほうも、それをExcelの管理表に入力し直していました。一応ペーパーレス化はされていましたが、単に紙をPDFに置き換えただけの状態でした。このような保守業務のサービス品質を向上させたいと考えて、サービスマネジメントに取り組むことにしました」
そこで松木氏は、ITILというサービスマネジメントのベストプラクティスにたどり着いた。
「調べてみると、人やプロセスの管理など、いろいろと重要なものがあるのですが、ITSM管理ツールがあることも知りました。別にExcelで管理しても良いとは思うのですが、それだと現状と変わらない管理方法になってしまいます。
そこで、プロセスの整備や人の教育などを進めながら、ツールの導入を進めることにしました。」(松木氏)

導入に関する支援やサポートなどの問い合わせも
丁寧かつスピード感もあり、満足しています

ITILをベースにしながら、自在にプロセスとナレッジの管理を実現できるSmartStageの柔軟性

では、どのような条件のもとでSmartStageを選定したのだろうか。
「いろいろ調べた中で、4製品ほどの候補がありましたが、決めてとなったのは、3つの理由です。」(松木氏)
まずは1つ目は、SmartStageがITILに縛られていなかったことだという。
他の製品はITILをベースに設計はされていたが、カスタマイズできる範囲が限定的だった。そのため自分たちの業務プロセスを当てはめるにしても、ツールに合わせる範囲が大きくなってしまうのだ。
「ITILは有効な手段ですが、それを全て取り入れようとしていても、ガラリと社内プロセスを変えるのはハードルが高くなります。
その点、SmartStageはITILに準拠しながらも自社の業務プロセスをそのままシステム化できるくらいの柔軟性を持っており、おかげでITILのいいところを入れながら業務やサービスのプロセスを容易に整備できました。」(松木氏)
2つ目の理由は、メール取込み機能の仕様だという。
「お客様受付けをメールで自動起票する機能を求めていました。
選定候補のサービスでは、クラウドサービスとメールサーバーを接続する必要があるものがありましたが、弊社のセキュリティの制限で、クラウドサービスと弊社メールサーバーを直接接続することができません。
SmartStageはメールサーバーを持っており、メール取込み用のアドレスを払い出してもらい、弊社のメーリングリストに含めることで、直接接続することなくメール取り込みを実現できます。」(松木氏)
3つ目の理由は、こうしたカスタマイズが自分たちでもできるノーコードツールの強みと、クレオの丁寧なサポートだったという。
「今回は、導入支援サービスを利用しました。どういう入力項目が必要か、どういうプロセスフローにするかという設計書は私が用意し、そしてSmartStageのITILテンプレートをベースにしてクレオに設定してもらいました。この導入支援サービスおかげで、スタートをかなり早く切れました。社内のメンバーも、このスピード構築には感心していました。」(松木氏)

「そのときに、こんなことできますか?と問い合わせると、実現したいプロセスの設定について担当の方に丁寧に教えていただき、設定してもらいました。
私自信もSmartStageの設定や操作をかなり深く理解できました。今では、運用に関する改善要望が来ても、全部私が設定変更しています。」(松木氏)

実際に使ってくれる人たちの要望にひとつずつ応えていく

続いて、SmartStageを利用したサービスデスクツール構築の様子を説明してもらった。
SmartStageの社内への展開は、段階的に進めていったという。
「2020年の10月に、操作に慣れてもらおうと、<サポート依頼>からスタートしました。
その後自分たちの作ったものが実際の保守業務に利用できるか、2020年11月に、全国で受付けの多い東京支社からトライアル的に運用を開始、2021年2月には<RMA依頼>も運用を開始し、その中でいろいろな問題点や改善要望に対処して2021年4月SmartStageを全国運用開始しました。」(松木氏)
いきなり構築完了したものを、全国運用するのではなく、トライアルも含めて段階的に進めていくことで、操作に慣れてもらい、実際に利用してくれるユーザーの要望にひとつずつ応えて、より良いツールにしていく目論みだった。

情報の一元管理や可視化、レポートの自動化など、
保守品質向上と効率化に、重要な武器になっています

導入1年目で業務の大幅な省力化を実現

SmartStageの利用人数は、ビデオコラボレーショングループで約10名、サービスセンターでRMAを担当しているのが約5名、支社支店で約80名になり、導入1年目で次のような導入効果が得られているという。
まずは、業務の大幅な省力化である。従来は、支社支店の受付管理をExcelやメールなどでおこなっていたが、それが日々自動的に蓄積されるようになったのだ。プロセスが一元管理されることで、ビデオコラボレーショングループやサービスセンターへのエスカレーション時にExcel管理表に再入力する作業も不要になった。
「お問い合わせをメールで送ってもらうことで、SmartStageのメール自動起票機能で受付しています。
<サポート依頼>や<RMA依頼>を送る場合も、パソコンで作成した依頼票をPDF化してメールで送信していましたが、それがSmartStageで完結するようになりました。」(松木氏)
こうした作業をSmartStageで行うことで、オペレーションを標準化できた。さらに、蓄積された情報の一元管理と可視化も実現できた。
「情報を一元管理ができているので、SmartStageのレポート機能を活用して、どれだけ対応したのかといった報告関連の出力も自動化できています。<RMA依頼>に対する伝票作成も、従来はExcelで作っていましたが、SmartStageのレポート機能と帳票機能を活用して、伝票を貼るだけになっています。
こうした業務の標準化と省力化、情報の一元管理と可視化が、サービス品質の向上につながっていると感じています。」(松木氏)
なお、こうしたサービスデスクツールの導入は、コロナ禍のリモート対応などでも効果があったという。
「新型コロナ禍以前からサービスプロセスの改善に取り組んでいたので、たまたま運用開始が新型コロナ禍とかぶってしまいました。でも、今回のシステム化で情報が一元管理できていたので、私たちの組織では在宅ワーク率も高くなったと思います。」(松木氏)

今後の展開

今回構築したサービスマネジメントの体制を、今後どのように展開しようと考えているのか聞いてみた。
「仕組みとしてはITILのインシデント管理・問題管理・変更管理・リリース管理まで実装していますが、現在はインシデント管理をメインに使っている状況です。
今後は問題管理・変更管理・リリース管理も運用規定を整備していきながら、今回の導入のように、段階的に1歩ずつ確実に展開していきたいと考えています。」と今後の展開を松木氏は語ってくれた。
さらに、コラボレーション事業の保守業務だけでなく、他の事業や社内プロセスのワークフローで合致する業務があればSmartStageへの実装を検討していきたいと松木氏は付け加えてくれた。

※掲載情報は、2022年3月現在のものです。
※「SmartStage」および「BIZ PLATFORM」は、株式会社クレオの商標、又は登録商標です。
※記載されている会社名、システム名、製品名は一般に各社の商標、又は登録商標です。
※本資料に記載されている製品の仕様は事前の予告なしに変更する場合があります。

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