NECマネジメントパートナー株式会社様
NECおよびグループ企業に、人事・総務・IT・資材調達などのシェアードサービスを提供するNECマネジメントパートナー株式会社。従来、事業部や事業会社ごとに抱えていたシェアードサービス業務を統合し、2014年に発足した。
その際、これまでバラバラだった委託業務の標準化を目指し、案件管理システムを共通化することになった。しかし、最終的には1,000人規模のオペレータが利用するには、ID課金のライセンスでは、コストが膨大になってしまう。そこで、サーバーライセンスで利用できるクレオのITサービス管理ツール「SmartStageサービスデスク」を導入した。
当初は、PC関連のヘルプデスクやネットワーク構築の相談などに対応するOA/ITサービス、オフィスやフロアの整備・構築・管理を行うファシリティサービス、庶務や人事関連業務などに応じる総務サービスを対象とし、フロント部門で受けた案件をスムースにオペレーション部門につなぐ環境を整えた。その結果、システム導入前に比較し既存業務にかかる工数を10%効率化することを実現したという。
今回、案件管理システムの構築・運用に関わった方々から、導入の詳しい経緯とSmartStageサービスデスクについての評価を聞いた。
業務の効率化とサービスレベルの向上のため、案件管理の仕組みを共通化することが不可欠でした。
首都圏フロントサービス事業部
尾崎明世 氏
NECのシェアードサービスを統合する、共通の案件管理システムを構築
「当社は、NECグループ各社に対する経営サポート・事業活動サポート・従業員サポートといったシェアードサービスを提供しています。NECグループの各社、各事業部の間接部門を1ヵ所に集め、より効率的な働き方を目指し、2015年にスタートしました」
このように説明してくれたのは、NECマネジメントパートナーで首都圏フロントサービス事業部の事業部長代理を務める尾崎明世氏である。
「NECは、事業部制を採用しています。そのため、事業部ごとに業務の進め方が違っており、当初は全員が個々の事業部のやり方のままでサービスを提供していました。しかし、そのままでは改善には繋がらないので、業務分析を進め、プロセスの標準化を行い2017年から統合したサービスが提供できるようになりました。
首都圏フロントサービス事業部がNEC各社の1次対応窓口や調整などを行い、ある程度対応が決まった業務は、バックエンドの事業部に実際のオペレーションを任せています。業務の効率化とサービスレベルの向上という観点からは、サービスに対する案件管理の仕組みを共通化することが重要かつ不可欠でした。
当初、案件管理システムの対象にしたのは、3つのサービスです。まず、PC関連のヘルプデスクやネットワーク構築の相談などを対応するOA/ITサービス、それから、オフィスやフロアの整備・構築・管理を行うファシリティサービス、庶務や人事関連業務などを対応する総務サービスです。この3つのサービスは、サービスメニューや手順がほぼ確定しており、導入設計が比較的容易だろうと考えました。」(尾崎氏)
従来の案件管理システムでは、機能不足とID課金が課題だった
OA/ITサービスだけでも平均して月に1,300件もの依頼がNECの事業部門から来るという。
「それまでOA/ITサービスの案件管理システムは、ビジネスユニットやエリアで異なっていました。本社地区はSharePoint、あるユニットはNotes、また別の部門はITILベースのサービスデスクツールといった具合です。」(尾崎氏)
しかし、SharePointやNotesによる案件管理では機能不足があり、オペレータの負担が大きくなっていた。これまで使ってきたITILをベースとしたサービスデスクツールは機能面では、遜色は無かったが、オペレーターID数で課金されるため、1,000名規模のオペレータで利用するには、ライセンスコストが膨大になってしまう。
「そこで、複数のサービスデスクツールを比較・検討して、機能面でも優れ、サーバーライセンスで導入できるクレオのSmartStageを採用しました。」 (尾崎氏)
SmartStageは設定だけで、即座に構築できるので、プロトタイプを簡単に準備することができました。
首都圏フロントサービス事業部
青木 優 氏
サーバーライセンスで、プライベートクラウドにオンプレミス導入
NECマネジメントパートナーでは、SmartStageをNECグループのプライベートクラウドにオンプレミスで導入して運用している。首都圏フロントサービス事業部のエキスパート、青木優氏に説明してもらった。
「私は案件管理システムの製品選定から参加しました。もともとSE出身なので、認証ディレクトリとの連携やマスターの自動生成など、主にサーバーのインフラ側構築も担当しています。
SmartStageは、サーバーライセンスで利用できることももちろんですが、CentOSで動作しデータベースにはMySQLを利用しているので、インフラのライセンスコストの面でも安価に設計することができました」(青木氏)
山中康裕 氏
また、導入に関わった方々にも、SmartStageの評価ポイントを聞いた。
「SmartStageは、サポートが日本国内のため、問合せにも素早く回答してもらえました。以前にITILベースのサービスデスクツールも担当していましたが、サポート拠点が海外にあり、問合せの回答に1ヶ月近くかかることもありました。
それに、SmartStageは設定だけで即座に構築できるので、プロトタイプを簡単に準備できました。もちろん最初だけは、クレオに用意して頂きましたが、それを利用部門に見て頂きながら、具体的なフィードバックをすぐに反映させることができ、簡単な設定は私がやっています。」(山中氏)
首都圏フロントサービス事業部
牛久保明 氏
「SmartStageは、管理画面を操作することで、とても柔軟性の高いシステムだと思います。社内の他の業務システムと比べても、とても扱いやすいシステムだと感じています。おかげで利用部門からの要望に対して、こういう設定はできないけど、こういう機能はある。他の部門ではこういうふうに使っている、と具体的な提案ができました。」(牛久保氏)
首都圏フロントサービス事業部
黒田悦子 氏
さらに、案件管理システムを構築するにあたっては、システム面ではいくつかの苦労があったが、クレオの柔軟な対応で回避できたという。
首都圏フロントサービス事業部のマネージャー、黒田悦子氏が語ってくれた。
「SmartStageは、独自のメーラーデーモンを持っていますが、NECのプライベートクラウドでは、メーラーデーモンを勝手に立ち上げてはいけないルールになっています。この箇所が外部から一番攻撃を受けやすいからです。そこで、クレオにはメーラーデーモンを切り離す仕組みを作ってもらうことで、この課題を回避することができました。また、同様にLDAP対応も必要となり、個別カスタマイズをしてもらいました。
この他にも、苦労したポイントがいくつかありましたが、機能のアップデートにより適宜対応してもらっています」(黒田氏)
案件管理システムの導入効果で、 既存業務の工数削減を実現
SmartStageで、新規に案件依頼を起票すると、あらかじめ設定されたプロセスにもとづき、所定のオペーレーション部隊に、自動または管理者によりエスカレーションされる。アサインされたオペレーション担当者がサービスを実施・完了すると、自動的に依頼者に完了報告メールを送信し、依頼者の確認処理でクローズされる仕組みになっている。
「SmartStageで案件管理システムを構築したことで、フロント部門から受けた案件をスムースにオペレーション部門につなぐことができるようになりました。
業務の効率化の面では、利用者からの案件登録、関連部門への業務受け渡しなどの工数削減ができました。また、担当者と利用者との対応経緯や進捗状況を共有することも容易になり、利用者自身が、依頼した業務の進捗状況をいつでも確認できるので、顧客満足度の向上にもつながっていると思います。
さらに「業務の標準化」がある程度実現できたことで人員の最適配置を行い、「業務の平準化」も対応できるようになりました。以前は、業務がオーバーフローすると、担当者の残業や、担当部署内での応受援しか対策を打てませんでした。その為、仕事を効率よくこなすオペレータに業務が集中がちでした。でも、シェアードサービスを統合して稼働状況を共通の案件管理システムで把握できるようになったため、標準化した業務であれば、柔軟に他拠点のメンバーにも業務をアサインし、負荷分散ができるようになっています。
このように、SmartStageの導入で、当初目標としていた既存業務にかかる工数の10%の効率化を実現できています」(尾崎氏)
当初想定していた業務以外にも様々な部門での申請業務などに拡大していく予定です。
今後の取り組み
「今後は、NECの関連会社向けのOA/ITサービスにも適用していきたいと考えています。NECだけでも利用ユーザーが約2万人いますが、関連会社を含めると約6万5千人ほどになります。そこには、地方の拠点や、工場も含まれており、現在、月に1,300件ほどの起票ですが、最終的には、約5,000件/月になると見込まれます。
案件管理システムは、当初想定していた3つの業務プロセス以外に、様々な部門での申請業務受付などに利用拡大をしていく予定です。そして、メニューベースのサービス提供を実現していくことで、お客様からも使いやすいシェアードサービスにしていきたいと思います」(尾崎氏)
「これ以外に、現在、当社ではチャットボットによる自動応答サービスに関する取り組みを進めています。SmartStageは、問い合わせ内容が蓄積されていくので、すでに既知の問合せ対応情報があるものは、チャットボットが回答して、まだ情報が整理できていない場合だけ、サービスデスクを呼び出すといったシステム連携が実現できると考えています。そうすれば、利用者側もご自身で問題解決ができ楽になりますし、オペレータ側も問合せそのものが減ったり、問合せを受けた場合でもFAQをご案内するだけで問題を解決できることになり、効率化が更に進みます。」(黒田氏)
「もうひとつ、RPAに関する取り組みも進めています。これはまだアイデアベースですが、SmartStageは、WebAPI経由でRPAロボットをキックできるので、何かの申請を受けた場合、ロボット経由で社内システムを立ち上げ、起票情報を転記させて、利用者は承認ボタンを押すだけ、といった自動化・省力化が期待できそうです。
また、蓄積された問合せ内容から、どのような依頼が多いのかといった分析も進めています。事業部やエリアによって、どんな依頼が多いのかといったところまで把握できるので、事前にオペレータ要員の最適配置にも、つなげられればと思います」(青木氏)
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NECマネジメントパートナー株式会社
本社所在地: 神奈川県川崎市中原区下沼部1753
※記載されている会社名、システム名、製品名は一般に各社の商標、又は登録商標です
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