#導入事例
ITサービス管理

ネオス
ネオス株式会社様

58拠点800名の業務を支えるシステム運用管理の業務品質を向上し、ITILにもとづく案件管理・問題管理を見える化

自動販売機を通じた各種飲料水などの販売、自動販売機の保守管理を提供するネオス株式会社は、58拠点800名の業務を支える情報システムの運用管理において、ヘルプデスク・業務システムサポートの業務品質を大幅に向上させました。そこで活躍したのが、クレオが提供したITILベースのSmartStageサービスデスクです。ネオス株式会社の情報システム課課長の斉藤竜馬氏と、ヘルプデスク業務を担当する西根幸洋氏(株式会社KSKネットワークサービス事業部)に詳しいお話を伺いました。

システム運用管理ツールを導入し、ITILにもとづく案件管理・問題管理を見える化

情報システム課
課長
斉藤竜馬 氏

月間1000件もの問い合わせ情報で、システム運用管理の見える化が不可欠

「ネオス株式会社は、飲料用自動販売機のトータル管理を提供する企業です。日本全国58か所に拠点を展開しており、従業員約800名のうちの70%がルートマンと呼ばれるフィールド作業員です。文字どおり現場が中心となって動く会社です。当社は5年前に情報システム課を設置しました。そこから少しずつ人 数を増やし、土壌を整え、システム運用管理のレベルを向上させてきました。現在の情報システム課は、PCやネットワークなどのヘルプデスクを担当するインフラグループとルートマンらが使用する業務アプリケーションを管理運営するグループに分かれています。全国の拠点から、PCやネットワーク接続に関する問い合わせや業務アプリケーションに関する問い合わせが多数寄せられています。その数は月間で約200件、問い合わせに関連したメールのやり取りだけで月間で約1000件に上ります」(斉藤氏)

「ヘルプデスクには、多岐にわたる問い合わせが電話やメールで寄せられます。例えば、マイクロソフトオフィスの操作を教えて欲しいといった問い合わせもありますし、PCが立ち上がらない、ネットワークに接続できない、データを消してしまったといった障害対応も入ります。さらに、問い合わせに回答するだけではな く、基幹系システムからデータを抽出してほしいといった作業依頼も含まれます。」「これまでの情報システム課の業務管理では、案件情報を共有する仕組みが全くありませんでした。KSKさんに常駐してもらうことで、対応力は上がったのですが、問い合わせ対応のノウハウは捨てられていたというのが実情でした。一方で、自動販売機の現場で使う業務アプリケーションは、内製の専用アプリケーションやハンディターミナルを組み合わせて構成されており、こちらは別のグループが運用管理を担当しています。現場でトラブルが発生してハンディターミナルが使用できない状態になると、自動販売機のデータを手書きのメモで控え拠点に戻ってから手入力します。その後に夜間のヘルプデスクに問い合わせを入れるといった具合で運用しています。この夜間のヘルプデスク対応は、外部の企業に外注しています。そこからは日次報告が提出されるのですが、それを弊社担当者との間でシステム的に共有する仕組みにはなっていませんでした。よくあるのは、問い合わせを受けて何か対応して終わりという形です。このように一日で終わる案件管理なら、それほど難しくありません。しかし、調査が残るなど再現待ちをしなければいけない場合、翌日以降に持ち越すことで管理が不十分となり、忘れ去られてしまう案件もありました。大切な情報が担当者の頭の中にしか残っておらず、全部蓄積されないという状況だったからです。ユーザーにして見れば、いつまでたってもやってくれない・解決できないと感じていたと思います。さらに、このような業務情報を把握する仕組みが整備できていないため、システム運用の業務量やボトルネックの把握が難しくなっていました。業務が忙しいと言われて初めて、工数の大きな作業依頼を請け負っていたことがわかった、といった場合もありました。このように結果的に業務が属人化しているのが実情で、これが2010年の前半まで続いていました。そのために、システム運用管理の見える化が大きな課題となっていました」(斉藤氏)

ITILベースのシステム運用管理ツールの導入で、システム運用管理の業務品質を大幅に向上

そこでネオスでは、2010年8月に、クレオが提供するITILベースのSmartStageサービスデスクを導入、ヘルプデスクへの問い合わせ情報や現場システムの問い合わせ情報を記録・共有する仕組みを構築しました。
「導入に当たってはSaaS版を3ヶ月間試用できたので、短期間でシステムを評価できました。この試用期間にもシステムをかなり使い込み、試用版の案件管理数の上限を変更してもらうほどでした。 現在は、ヘルプデスクを担当するインフラグループと業務アプリケーションを担当するグループ、さらに、外注先のヘルプデスクサービスが、このツールで案件情報を管理しています。外注先からはVPN経由で利用してもらっています。ここに情報を共有することで、3か所の状況を把握できるようになりました。このツールによりITILの定める案件管理・問題管理を実現しています。定量化するのは難しいのですが、システム運用の業務量や内容を把握できるようになり、担当者ごとに対応時間を把握できるようになりました。案件のカテゴリを分けることで、どのようなアプリケーションで、どのような問題があるかが分かりやすくなるなど、システム運用管理の業務品質が大幅に向上しました。ITILは聞くと分かりやすいのですが、実際に実現するのは難しいところがあります。なぜなら、どのように立派なツールがあっても実際に動くのは、結局、人間だからです。クレオが提供するITILベースのシステム運用管理ツールは、ITILを理解している人間にとっては、非常に使いやすいツールでした。案件を登録するという工数は増えますが、問い合わせ情報が蓄積されることで過去の問い合わせ情報を見つけて素早く回答したり、担当者でなくても回答できるようになりました。さらに、問い合わせ情報が蓄積されることで、アプリケーションの個々で問い合わせが多いなといったパターンが見えてくる場合もあります」(斉藤氏)

株式会社KSK
ネットワークサービス事業部
西根幸様 氏

直感的に操作でき、設定やユーザ登録も容易に行える

「実際に使ってみると、設定や操作も容易でした。ユーザー登録なども、直感的にでき ました。情報が蓄積されたことで、早期に解決できた課題もありました。2011年の10月に、全社のPCを入れ替え、Windows7とOffice2010を導入したのですが、それからしばらくして、業務アプリケーションでトラブルが発生したことがありました。自動販売機のデータを営業所に持ち帰ってきて、サーバにアップロードするとき、何らかのトラブルでデータの取り込みがうまくできなかったのです。PCを入れ替えた直後だったので、Windowsやプリンタなどインフラ側のトラブルだろうと考えていたのですが、夜間のヘルプデスクの案件情報が残っていて、基幹系システムで特定の処理をしたときだけに発生するアプリケーション側の事象だと判明して、問題が大きくなる前に対応できました」(西根氏)

今後の展開

「現在のところこのツールでは、ITILでいう案件管理の問題管理までを対象として使っています。変更管理とリリース管理は、今のところ別の方法でやっていますが、メンバーも慣れてきたので、変更管理とリリース管理にもこのツールを使っていきたいと考えています。また、福岡の拠点でマスタメンテナンスなどの業務を行っているユーザー部門がありますが、そちらとの情報共有にもこのツールを使っていきたいと考えています。そして、システム運用管理のレベルを一層上げることで、当社の業務効率とサービスレベル向上を支援していきたいと考えています」(斉藤氏)

※掲載情報は、取材にお応えいただいた当時のものです。
※記載されている会社名、システム名、製品名は一般に各社の商標、又は登録商標です

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