立命館大学様
総合私立大学である立命館大学は、学部大学・大学院から小学校・中学校・高校までを擁する大型学校法人である。そのうち学部大学・大学院に学生約3万7000名、教職員約2300名が所属している。同校の情報システムを管理する情報システム部情報基盤課は、教育研究用サーバから教育研究用情報端末・ネットワーク機器まで、6000台以上のIT機器を管理している。また、教卓システムのAV機器など数万台も抱えている。今回、コスト削減と業務改善を継続する仕組み作りの一環として、株式会社クレオが提供するITサービス管理ツール『SmartStageサービスデスク』を導入した。
学生・教職員約4万名を支えるため、教育・研究用情報システムのコスト削減と業務改善を継続できるシステム運用業務基盤を構築
6000台以上の情報機器を管理するため、運用状況の集約と見える化が課題
大学の情報システムは、一般的に「教育・研究系」「事務系」「学術情報系」に分類できるという。情報基盤課の役割は、そのうちの「教育・研究系」を中心としたICT環境の整備とシステム運用である。ICT環境と一口に言っても、ネットワーク・PC環境・AV環境、教育研究などを目的とした各種サービスのシステム運用など多岐にわたり、それらの企画・開発・運用を、大学職員25名と委託事業者のスタッフ30名で支えている。情報基盤課の谷村昇氏は、その現状について次のように語った。
「情報システムの数や複雑さは右肩上がりに増えていく傾向にありますが、その運用コストは一定に抑えておくか、コストを下げる取り組みが不可欠です」
立命館大学では職員の異動サイクルが短く、頻繁に人が入れ替わるのが特徴だという。そのため、異動によりノウハウが蓄積できず、細かい対応の経緯などが埋もれてしまうことがあり「誰が、どこで、何を決めて、システムがこうなっているのか?」という経緯を紐解くには、かなり手間がかかるのが実情だった。 一方で、システム運用の面でも課題を抱えていた。運用ルールや記録フォーマットは、各サービスやネットワーク・PC環境などの担当範囲ごとに独立しており、共通性がなかったのだ。インシデント管理も個別に行われており、誰にどのように報告すればいいのかといったエスカレーションフローも違っている。 また、業務委託先のスタッフが入れ替わる場合もある。長年運用されている小規模19 システムだと、過去の経緯や構成について誰が詳しいのかさえ不明確なこともあるというのだ。
柔軟な課金体系で業務適合性の高いツールを選択
「システム運用の標準化が必要なのは分かっていました。ですが、運用フローを書いた紙を渡して、”明日からこうしてください”というだけでは運用フローは定着しません。そもそもシステムの運用状況を見える化できていない訳ですから、ナレッジを記録・蓄積した上で分析しないと、標準化に進めないのです。そこで、運用状況を記録するための箱が必要になると考えたのです。それが、SmartStageサービスデスクを導入するきっかけでした」(谷村氏)
また、立命館大学の情報システム運用に対する業務委託を受けているワールドビジネスセンター株式会社文教・ネットワーク部係長三田村純一氏は、次のように語っている。
「私どもは、立命館大学様の委託を受けて、インシデント管理・案件管理を行っています。システム運用状況をお客様と共有していくのはもちろんですが、お互いの役割分担を明確にするために、エビデンスをいかに残していくのかも重要です。今後、システム運用状況の見える化が進めば、委託先としても一層レベルを上げることができるのではないかと思っています」
そこで、システム運用状況を容易に記録できて、ITILベースで自分たちの条件に合いそうなシステム運用管理ツールを探しはじめた。
【システム運用管理ツールの選定条件】
- ITILをベースにできるツールであること
- 業務フローと作業記録データを関連付けられること
- 活動を記録しやすいこと
- SaaSであること
【SmartStageサービスデスクの選定理由】
- リーズナブルな導入コスト
- 柔軟な課金体系
- 適合範囲の広さ
「SaaSを選定条件にしたのは、一年後に柔軟に運用規模を変更できるようにしておくためでした。どのように定着できるか不確実性があることを考慮して、初期導入コストも運用コストも小さくしておきたかったのです」(谷村氏)
導入コストはもちろんだが、特に評価したのは課金体系だったという。将来は、システム納入業者やサービス事業者などのベンダーとの間で運用状況を共有したいと考えていたのだが、ユーザー数ごとの課金では大学側がベンダー側の利用料金まで引き受けることになる。一方、SmartStageサービスデスクのようにプロジェクト単位での課金になっていれば、その中でベンダー側のユーザー数をいくら追加してもコストは増加しないのだ。さらに、SmartStageサービスデスクの適合範囲の広さも評価の対象になった。「システム運用管理だけでなく、将来、学生や教員と向き合っている窓口の申請系業務にも適用したいと考えており、どの製品やサービスが夢を見られるかなという話をして、SmartStageサービスデスクの導入を決めました」(谷村氏)
教科書的なプロセスに加えて、実務に合致する運用体制を構築
実際のSmartStageサービスデスクの導入にあたっては、ITILテンプレートを適用して、「チケット管理」「インシデント管理」「問題管理」「変更管理」「リリース管理」という5つのプロセスを設定した。 情報基盤課沼将博氏は、次のように語った。
「導入設定では、教科書的なプロセスに加えて、自分たちの実務に合致するプロセスにしたいと考えました。これまで、担当範囲ごとにシステム管理が独立していたこともあり、同じ担当範囲が持つシステムは共通のプロセスで管理したかったのです。実際の運用で使えなくなってしまうと元も子もありません。じっくりと考えてプロセスを作りこむ時間とカットオーバーして自分たちのノウハウをためていく時間のどちらを大切にするか、そのバランスも考えました」なお、今回の導入にあたっては、情報基盤課の中でもITILの理解にばらつきがあり、レベル感を合わせていく必要もあった。そこで、ITILの教科書を事前に配布しました。(沼氏)」
インシデント情報の集約からスタートして、継続的な運用改善を目指す
立命館大学では、まずは、紙ベースだった作業依頼書の電子化、誰が何件の案件を抱えているかなど運用状況の見える化を図る。さらに、システムの変更履歴といった変更管理の実現なども目指す。その上で、4半期ごとにシステム運用プロセスの見直しを実施していく予定だという。
「これまでも、担当範囲ごとに独立していたとはいえ、それなりにインシデント管理をしていました。その分散していた情報を集約する訳ですから、インシデント数としては、当面増加するでしょう。その全体像を把握するのに、1年くらいかかるだろうと覚悟しています。業務プロセスの最適化による工数削減などの効果が出てくるのは2年目からになるでしょう」(情報基盤課西川純一氏)また、今後の取り組みについて、谷村氏は次のように語った。「これまでは、システム運用の状況を後追いすることに時間を費やしてきました。その時間もどのくらいの量なのか、十分に把握できていませんでした。しかし、システム運用状況の見える化ができれば、定量的に課題を分析し、対策できるようになるはずです。これからは、システム運用を最適化することで、教育機関としてのICT環境の未来を考える時間を生み出せるよう、SmartStageサービスデスクと共に成長していけることを期待しています」
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