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IT部門をビジネスクリエイティブ集団にpowerd bysmart stage

IT部門をビジネスクリエイティブ集団に

システムの安定稼働、コスト削減、コンプライアンス強化など、IT部門の「作業」は年々増加しています。
しかし、新規事業や新技術の立ち上げなど、企業力強化のうえで不可欠なものは、IT部門の「知恵」です。
IT部門がビジネスクリエイティブ集団に生まれ変わるためのヒントやトレンド情報をご提供いたします。

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2017.03.13

全6回 【連載】徹底解説!「強いIT部門」を作るための業務改善TIPS 《連載:第1回》 煩雑な業務の改善を実現!IT部門担当者が“幸せ”になるためのファーストステップ

企業のIT部門の業務は、社内システムの開発・運用管理から顧客情報管理、ビジネス部門のトラブル対応などのヘルプデスク、経営戦略を支える役割まで、多岐にわたります。つまり、お客様といえるでしょう。しかし、業務負荷が高い割には会社からの理解が得られず、ともすればコストセンターと見られてしまうことも…。そんなIT部門の悩みが解消され“幸せ”を実現するになるにはどうすればよいのでしょうか?

本連載では、ITサービス管理のエキスパートである井上誠がそのポイントを解説します。

企業を支えるIT部門の日々の業務の課題は?

IT部門は、複数の業務に追われる忙しい毎日を送っています。社内システムの安定稼働を監視しながらユーザーからの問い合わせ管理などのサポートを行うヘルプデスクの役目をこなし、ビジネス部門の依頼に応じてデータや最新情報の検索・集計・レポート。さらに、近年では「攻めのIT」という言葉も盛んに聞かれるように、新規ビジネスを推進するシステムを企画・提案するところまで、状況に応じて限られた人員で対応しなければなりません。最近では、忙しさに追い打ちをかけるようにオンプレミスシステムの仮想化やクラウドサービスの活用が進んだ結果、業務に要求される知識も増え、担当者にかかる運用管理の負荷はますます高まっています。

それにもかかわらず、直接利益を生み出す部門ではないだけに、会社からは常にコスト削減を求められることが多いのが実情です。「忙しいから人員を増やしてほしい」とは、どこの会社でもとても要望しにくいでしょう。コスト削減に向き合いつつ業務改善に取り組むことが、今のIT部門の課題となっています。

この課題をどのように解決すればよいでしょうか。ITサービス管理のエキスパートとしてこれまで数々のクライアントのIT部門を見てきたクレオの井上は、「まずは業務プロセスを見直していくこと」が重要だと話します。

「IT部門は課題を感じているものの、業務改善に取り組むには時間の余裕やパワーが必要です。しかし日々の業務が忙しいために、改善活動にパワーを割くことができません。また、既存のやり方のままで業務を改善していくには限界があります。そこで、まずは具体的な仕事の仕方の前に、今の業務の流れが本当に適切なのかプロセスを見直し、『自分たちの業務を整理する』ところから始めるのです」

業務改善のファーストステップは「課題の発見から」

とはいえ、どんな企業も今まで続けてきた慣れた処理の仕方や業務プロセスが当たり前だと思っています。そこに疑問を投げかけ、改めてプロセスを見直してみることは簡単なことではありません。しかし、改善が必要なポイントはさまざまなところに隠れています。井上は日々いろいろな企業と向き合う中で見た例として、次のようなケースを指摘します。

「しばしば見られるのが、アプリケーションの開発担当とインフラの運用担当の間でコミュニケーションがうまくとれず、業務に支障を来してしまうという問題です。当然、それぞれのチームが持っている業務の責任範囲は異なるわけですが、やり取りのプロセスを明確にしていなければどういうことが起こるか――。例えば、通常であれば厳密なプロセスを経て運用担当がアプリケーションをリリースするという作業を、中途半端に知識のある開発担当が情報共有をせずに勝手に導入をしてしまい、その後不具合を起こしてしまうというようなことが起こるわけです。ここで、重要なのは組織単位だけでなく、『チーム単位ごとにもルールがある』ということです。それが属人的になってしまうとトラブルが起こってしまうのです」

このような問題は、ただ開発担当と運用担当の「コミュニケーション不足」だとか「今後は計画的に依頼をするように」という言葉だけで片付けてしまいがちですが、それで改善することはできません。担当間での業務上のやり取りに対して、最善となる「プロセスや両チーム間のコミュニケーション手段を設定することが必要となるのです。単にチーム間の相性の問題で片付けるのでなく、改革を始めていくヒントはさまざまなところにあります。

また、次の場合もあります。例えば、社内でシステムに不具合が発生し、ビジネス部門からIT部門の運用担当者が相談の電話やメールなどで連絡を受けたとき、ここで要注意なのは、「そのときに連絡を受けた担当者の知識や経験だけで判断し処理をしてしまう」という場合です。

「ネットワークの問題であれば、こうすれば早く処理できる」「ハードウェアの問題であれば、あの人に頼めばよい」など、項目や機能ごとに対処方法の知識を持っている人が対応した場合は早いのに、そうした情報を知らない人が回答し、対応したらスピードも遅く、品質も悪い。また、親切な人が依頼を受けたら何でもやってくれるのに、忙しい人が受けたら対応がぞんざい。当然このようなことが起きてしまいます。依頼したビジネス部門側としては、その時々によってなぜ対応の質に差がでてくるのか不満や疑問を抱いてしまいます。

これも業務プロセスをきちんと定めていない点から起きる問題の例です。

「業務を整理することではじめて、IT部門が直面している課題が見えてくることもあります。課題がわかっているから業務の見直しや改革を行うのでなく、課題を見つけるためにそれらを行うという考え方もあります」

「業務の見える化」がIT部門の業務に余裕を生む

業務プロセスを見直し、適切なものに刷新することができればIT部門の働き方は大幅に改善されます。重要となるポイントとしては、“業務の見える化”です。

「業務の“見える化”ができることは、すなわち『誰がどんなタスクを持っているのか』『優先順位が高い仕事は何か』といった状況が瞬時に把握できるということ。仕事のやり取りの中で、誰にボールがあるのかがわかれば、仕事を依頼されたときに、受ける量を考えることができますし、IT部門内で業務の量を平準化するなどのコントロールが可能になります。よくありがちな“残業して気合で乗り切る”ということも減り、IT部門全体に余裕が生まれやすくなります」

逆に、タスクの状況がわからなければ、仕事の停滞や人の評価などさまざまな弊害を生んでしまいます

部内でのタスクフォームを作成し、個人がタスク情報の登録し履歴の管理をしていくことをおすすめします。具体的に表示されることで「どこで仕事が止まっているのか、誰がどのくらい仕事をためているのかがわからなければ、仕事が遅い人が残業して給料を多くもらったり、早く仕事を終える人の仕事が少なく見えたりする矛盾も起こってしまいがちです。上司としても部下の正しい評価がわかりづらくなります」

目下の仕事の処理・管理に追われ、多くの組織が見過ごしがちですが、忙しいIT部門を“幸せ”にするファーストステップは、まず業務プロセスを見直し、適切なものに正すことです。言葉で言ってしまえば簡単ですが、もちろん、どのような業務の仕方が最適なのか、具体的な作業の仕方のレベルでは企業によって異なるでしょう。

まとめ

以上、IT部門の業務改善の根幹となるポイントを示しました。本連載では、IT部門が抱きがちな業務上の問題を指摘しながら、それを改善する正しい業務プロセスのフレームワークと、それらを業務に応用するコツをご紹介してきました。

社内の「コストセンター」としてしばしば低く見られがちなIT部門。第2回では、IT部門にありがちな“ダメな特徴”も指摘しながら、会社に貢献していく存在へと生まれ変わっていくための指針をお伝えしていきます。

井上 誠株式会社クレオ
2002年から、さまざまな業務システムSEとしてキャリアをスタートし、100社を超える企業システムの開発プロジェクトに携わる。数多くのIT部門を見てきた経験とITILやITサービス管理への高い知見を生かし、現在はITILエキスパートを取得し、クライアントの課題解決に日々尽力するITサービス管理のエキスパートとして活躍。
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