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2023.06.01

 更新日:

2022.03.08

全2回 インターネットの世界を一変させる?「Web3」の基礎知識 《連載:第1回》 Web3でインターネットはどう変わるのか

Web3でインターネットはどう変わるのか

最近、前回取り上げたメタバースとともに、「Web3」という言葉を目にする機会が増えてきました。“次世代のインターネット”と呼ばれ、ITの世界を一変させる存在として注目を集めていますが、IT担当者の中にもまだまだよく知らない方が多いのではないでしょうか。今回はWeb3の基礎知識について、活用事例や課題とあわせて解説します。

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Web3と従来のインターネットの違い

Web3という言葉が登場したのは2014年、ブロックチェーン・プラットフォーム『イーサリアム』の共同創設者、ギャビン・ウッド氏が自身のブログで提唱した概念と言われています(当初はWeb3.0と表記)。メタバース同様、現時点ではWeb3の公式的な定義は確立していないようですが、一般的には「非中央集権型=分散型」のインターネットという意味で使われています。

では、なぜ今これほど「分散型」のインターネットが注目されているのでしょうか。その背景を理解するためには、これまでのインターネット、いわゆるWeb1.0とWeb2.0について再確認しておく必要があります。

●「Web1.0」

1900年代後半~2000年代初頭のインターネットをWeb1.0と呼びます。Web1.0の特徴は、コミュニケーションが一方通行型であること。ダイヤルアップ接続が主流で、現在とは比較にならないほど通信速度が遅かったこともあり、大部分のユーザーは少数の企業や個人が発信する情報を、ホームページのような静的コンテンツを通して受動的に閲覧するだけでした。もともと“オープンで脱中央集権的なコミュニケーション”を掲げて登場したインターネットでしたが、技術面ではまだまだ理想に程遠かった時代と言えるでしょう。

●「Web2.0」

2000年代前半以降、つまり現在、私たちが日々利用しているインターネットがWeb2.0です。特徴は双方向性(インタラクティブ、コラボレーティブ)。ブロードバンドをはじめとする技術革新に加え、ブログサービスやソーシャルメディアなどのアプリケーション、さらにグルメサイトのカスタマーレビューのようなユーザー生成コンテンツが次々に登場し、一般ユーザーの発信コストが劇的に低下しました。当然ながら、スマートフォンの爆発的な普及も看過できません。

しかし、一見インターネット黎明期の理想に近づいたかにみえたWeb2.0にも、次第に大きな問題が浮上してきました。それが、今や日常生活でもビジネスでも不可欠となったプラットフォームを提供する、「GAFA(M)」に代表されるビッグテックの存在です。近年、こうしたプラットフォーマ―たちへの富の一極集中、セキュリティの脆弱性、ユーザー情報の利用方法などに対して、様々な批判が噴出しているのは誰もがご存知でしょう。

ここで先程の問いに戻ると、現在分散型インターネットのWeb3が注目されているのは、こうしたビッグテックの支配に歯止めをかける——あるいはギャビン・ウッド氏の言葉を借りれば、ビッグテックの専制を破壊する——存在として期待されているからなのです。

Web3の要はブロックチェーン

では、Web3の特徴や仕組みを詳しく見ていきましょう。ギャビン・ウッド氏のブログや彼の米『WIRED』でのインタビュー、その他関連メディアで触れられているWeb3のコンセプトをまとめると、以下の3つのポイントに集約できます。

●分散型
●オープン
●透明性(検証可能性)

Web3の要として、これらのコンセプトを実現可能にする技術がブロックチェーン(分散型台帳)です。ご存知の方も多いかもしれませんが、ブロックチェーンとは、暗号技術によってインターネット上の取引データをブロック単位でまとめ、1本の鎖(チェーン)のようにつなげて管理する仕組みを指します。もともとは仮想通貨ビットコインの土台として開発された技術です。

ブロックチェーンの大きな特徴は、サービスや情報の提供者が固定された「クライアント/サーバー型」ではなく、個々の端末同士を直接つなぐ「P2P(ピア・ツー・ピア)型」のネットワークで構築されていること。それにより、単一障害点が存在しないため耐障害性が高く、またプラットフォームのような第三者による管理・仲介なしに商取引やコミュニケーションをおこなえるというメリットを持っています。

ブロックチェーンの大きな特徴

取引の記録(台帳)は、上図のように参加者同士で共有。しかも時系列順につなげて管理するため、経緯はすべて検証・トレースでき、改ざんなどの不正行為は事実上不可能な仕組みとなっています。以上のような特徴からブロックチェーンは、経済産業省の資料にも書かれているように「既存の取引に関するシステムを変え、管理コストを劇的に下げる可能性」のある技術と言えるでしょう。

またWeb3では、このブロックチェーンの活用によって、アプリケーションの形式が現在主流のクラウド型から分散型に変化すると予想されています。それが、「dApps(decentralized applications)型」と呼ばれるアプリです。

dAppsのメリットは、「スマートコントラクト」というブロックチェーン上で第三者を介さずに取引を実行できるプログラムで構成されているため、中間搾取(マージン)を削減できること。その他にも、「オープンソースで開発されている」「取引の際はトークン(仮想通貨)を利用する」「アプリのアップデートのためにユーザーが合意形成を行う仕組みがある」といった特徴も持っています。

dApps やWeb3についてよりイメージしやすいように、次回は既に登場しているアプリやサービスの事例を紹介します。

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