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  • 業務プロセス

2022.02.15

 更新日:

2021.05.11

全2回 【DX時代の必須知識】IT部門も知っておきたいCXの基礎 《連載:第1回》 CX向上の鍵となるデジタル活用

今回のテーマはDXならぬCX。といってもダジャレでもふざけているわけでもありません。ビジネスのあらゆる領域で変革が求められている現在、CXは企業の競争力を強化するための重要な取り組みであり、また、今後ますますデジタルやITの活用が必須となっています。つまり、DXともIT部門とも無関係ではないのです。

第1回目の今回は、CXの概要や他社の取り組みを紹介していきます。

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全2回【DX時代の必須知識】IT部門も知っておきたいCXの基礎

なぜCXを向上させる必要があるのか

まずはCXについて簡単に説明します。
CXとは「Customer Experience :カスタマー・エクスペリエンス」の略語で、直訳すると「顧客体験」。元々マーケティング領域で使われていた言葉でした。厳密な定義は特にありませんが、一般に共有されているのは、ガードナー社の「提供企業の従業員、チャネル、システムまたは商品とのインタラクションがもたらす1回の、または累積的な効果によって、顧客が得る認識や関連する感情的な価値(体験)」でしょうか。

例えば店舗なら店内の雰囲気や接客対応。ネット通販であればサイトのデザインや品揃え、アフターフォロー。こうした、いわゆるタッチポイント(顧客接点)から受ける印象によって、その企業や商品を好きになったり嫌いになったりした経験は誰しも持っているかと思いますが、要はそういった「企業・商品認知~商品購入検討時~購入後のプロセスを通して、企業や商品に対して抱くイメージや感情」のことを指します。

では、なぜ今そのCXが注目を集めているのでしょうか。それは、現在多くの業界で、価格やスペックといった合理的な要因だけでは、他社と差別化するのが困難になっているからです。その要因としては競争力の激化やインターネットによる情報過多などが考えられますが、忘れてはいけないのは、売り手だけでなく買い手もこれらの影響を受けているということ、溢れる情報の中で、どの企業、どの商品が「自分にとって必要なのか」わからなくなっているということです。

CXを向上させることは、この買い手の「自分にとって必要なのか」という問いに答えることであるとも言えるでしょう。つまり、合理的な要因の価値が低下していく中で、「店の雰囲気が素敵」「商品注文までの導線がスムーズでストレスを感じない」といった非合理=数値化できない喜びや感動が、競合に差をつける付加価値になるのです。もちろん、スターバックスやアマゾン、エアービーアンドビー、日本企業でもメルカリやくら寿司など、成長著しい企業の多くがCXに注力していることも大きな要因でしょう。

CXの向上は、商品・サービスの売上アップ以外にも様々なメリットがあります。ユニークなサービスやキャンペーンを実施すればSNSでのシェア・拡散も期待できますし、ユーザーが商品や企業の「ファン」になるような体験を提供できれば、LTV向上やブランド価値向上など、中長期的な成長にもつながります。

とはいえ、そのための具体的な施策となると、業界やビジネスモデルによって異なりますし、しかも先述の通りあらゆるタッチポイントが対象となるため、なかなか簡潔には説明できません。しかし、リアル/ネット、B to C/B to B問わず、どのようなビジネスにおいても重要なポイントが一つあります。それは、今後はCXを向上させる上でデジタルやITの活用がますます重要になっていくということです。その理由はもちろん、コロナ禍における購買行動のデジタルシフトです。

デジタルを活用したCX向上施策事例

では、実際にどのようにしてデジタルでCXを向上させているのでしょうか。具体例を見ていきましょう。

マクドナルドやスターバックスなどの飲食店では、事前注文アプリを導入している店舗もあります。その名の通り、レジで待たずに商品を受け取れるよう事前に注文できるアプリで、行列が嫌いな人(つまりほとんどの人)にとってこれほど有り難いサービスもないでしょう。

B to Bビジネスでは、従来の売り切り型ではなく、SaaSのような月額定額制のサブスクリプションサービスが増えています。そうしたサービスを提供している企業の多くは、CX向上のために「カスタマーサクセス」という取り組みを行っています。

カスタマーサクセスとは、簡単に言うと自社サービスを通してクライアントの業績アップをフォローすること。カスタマーサービスと似た言葉ですが、カスタマーサポートのように受け身の姿勢ではなく、ヒアリングを通してサービスの不明点を解消したり機能改善につなげたりと、能動的にクライアントに働きかけていくところが特徴です。

専用のデジタルプラットフォームも登場しており、自社のウェブサイトにアクセスしてヘルプページを閲覧しているときにフォローのメールを送付したり、他社の成功事例を共有したりといった対応を自動で行うことができます。

そのため、先述のカスタマーサクセスにおいては、事前にタッチポイントごとのユーザーの心理や行動を仮説立て、「カスタマージャーニーマップ」と呼ばれる図表に一覧化し、それに基づいて施策やアプローチの内容を考えるのが一般的です。作図するかは別にして、B to Bのビジネスでも同様の取り組みは欠かせないでしょう。

次回は、より実践的なCX向上のポイントと、その中でのIT部門が果たすべき役割について説明します。

全2回【DX時代の必須知識】IT部門も知っておきたいCXの基礎

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SmartStage編集部

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