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2021.01.26

全2回 「IT部門にもデザイン思考が必要」は本当か? 《連載:第2回》 デザイン思考5つのステップ

前回は、デザイン思考とは、正解がコモディティ化した時代にイノベーティブなアイデアを生み出すためのメソッドであり、DX推進の中心となるべきIT部門にも求められているという話をしました。今回は引き続き、実際にデザイン思考に取り組む上での進め方や注意点などについて説明します。

デザイン思考の進め方

デザイン思考の進め方にはいくつかの種類があります。中でも一般的なのは、スタンフォード大学のd.schoolというデザイン研究所による、5つのステップから成るモデルです。以下、簡単に紹介していきます。

STEP1:共感

前回も説明した通り、デザイン思考の肝は人間=ユーザー中心であること。「共感」のステップでは、インタビューや行動観察を通して、ユーザーやターゲットの悩みや課題を理解することが目的です。

行動観察とは、字義通りターゲットの行動をひたすら観察することです。あるデザインコンサルティング会社では、地下鉄の駅にある自動販売機の売上を伸ばすために駅構内の人々を観察。多くの人が時間を気にしにていることに気づいたため、自動販売機の上に時計を設置したところ、注目度が上がったせいか売上もアップしたそうです。

アプリ開発であれば、「使いにくい」のような、表層的で型通りの悩みを引き出しても意味はありません。感情レベルまで深掘りし、ユーザー自身も気づいていない潜在的なニーズやウォンツをあぶり出せると効果的です。

STEP2:問題定義

「共感」のステップで得た情報をもとに、ユーザーにとって本当の問題(課題)は何か、何を望んでいるか、ということを概念化=言語化します。次の「創造」と同じく、ホワイトボードや付箋を使ってチームでワークショップなどを行うのが一般的です。

STEP3:創造

続いてユーザーの問題やニーズを解決するためのアイデアを出していきます。ポイントは出来るだけ多くのアイデアを出すこと、非現実的なアイデアであっても否定しないこと、上下関係を持ち込まない、など。既成概念にとらわれないアイデアを生み出すには、自由闊達な雰囲気づくりが欠かせません。最終的に、有用性や実現可能性の観点から絞っていきます。

STEP4:プロトタイプ

アイデアを一旦プロトタイプ(試作品)として形にします。ただし、システム開発におけるプロトタイプのように手間をかける必要はありません。作成の目的はあくまで仮説検証です。アプリやソフトウェア開発の場合は、手書きのペーパープロトタイピングでも十分でしょう。

STEP5:テスト

プロトタイプに対するユーザーからフィードバックをもとに、改善・ブラッシュアップを重ねていきます。ここで大切なのは、なるべく多くの指摘をもらい、迅速に改善すること。そのサイクルをスピーディーに回していくことが、ユーザー満足度の高いサービス・プロダクトへの近道です。

デザイン思考に取り組む上での注意点

ただし、当然のことながら、これらのステップを一通りこなしただけでイノベーティブなプロダクトが誕生するわけではありません。上手くいかなれば、1ステップ前、あるいは最初からやり直すことも必要です。ちなみに「吸引力の変わらない、ただひとつの掃除機」というキャッチコピーでおなじみの、あのダイソンのサイクロン掃除機は、5,000個以上もプロトタイプを作成したそうです。

こうしたことを考慮すると、デザイン思考を成功させるためにもっとも必要なマインドは、その華やかなネーミングとは裏腹に「根気」なのかもしれません。

また、デザイン思考を使えばどんな課題でも革新的に解決する、と考えるのも間違いです。わざわざ新たにイノベーティブなシステムを作らずとも、現行のシステムの使い勝手を良くするほうが効果的なケースも多々あるはずですし、「早急にクラウドERPを海外展開したいが、現地法人が反発している」といった課題なら、ワークショップを開くよりも、交渉で導入できない理由を潰していくほうが早いはずです。

と、注意すべき点はいくつかあれど、やはりデザイン思考は魅力的であると言わざるをえません。特に人々の行動や働き方が急激に変化したコロナ禍以降においては、社内向けであれ社外向けであれ、今までのシステムやビジネスのやり方を続けていては早晩上手くいかなくなることは明らかです。

そして、自社が取り組むか否かにかかわらず、今後ますますDX推進企業が増えることを考えると、競争優位性を確保するために、あらゆる企業、ビジネスパーソンがイノベーティブなアイデアを生み出す能力を求められるようになるはずです。

幸いにして、デザイン思考はそれほど多くのコストがかかるわけではありません。「IT部門にもデザイン思考は絶対に必要である」とは言い切れませんが、先の読めない時代を切り拓くための一策として取り組んでみるのも良いでしょう。

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SmartStage編集部

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