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  • 業務プロセス

2021.01.13

全2回 「IT部門にもデザイン思考が必要」は本当か? 《連載:第1回》 デザイン思考に対するIT関係者の誤解を解く

新たなトレンドやキーワードが泡沫のように現れては消えてゆくIT業界。しかし中には、「DX」のように一見バズワードに見えつつも、避けて通ってはいけない言葉も混じっています。今回取り上げる「デザイン思考」も、その一つかもしれません。

一過性のトレンドではない

「IT部門にもデザイン思考が必要だ」――近年、このような声をいたるところで見聞きするようになりました。2020年6月に一般社団法人 情報サービス産業協会(JISA)が発表した調査結果でも、IT技術者が今後取り組むべき要素技術として、クラウドデータ連携やテキストマイニング、IoTセンサーなどの最先端技術を抑えて、デザイン思考がトップに選ばれています。

とはいえ、本当にそうなのでしょうか。「デザイン思考なんて、所詮『Web2.0』や『ユビキタス』みたいなバズワードじゃないの?」、「単にクリエイティブっぽい言葉を使ってみたいだけでしょう?」、「そもそもエンジニアとデザインは無関係では?」などと考えている方も多いのではないでしょうか。

ところが色々調べてみたところ、どうやらそうした判断は、いささか早計かもしれないという気がしてきました。

なにしろシリコンバレーでは、もはや流行でも特別なものでもなく、当たり前の施策になっているとも言われていますし、日本でも、トレンドに敏感なITスタートアップだけでなく、日立や富士フイルムなどの一般大手企業の取り組み事例が紹介されています。

元々デザイン思考のルーツの一つは、松下やホンダ、ソニーといったかつて世界を席巻した日本企業の製品開発のプロセス。一過性のトレンドどころか、歴史と実績に裏打ちされたメソッドなのです。

もしかしすると、「デザイン」という言葉がいけないのかもしれません。なぜならデザイン思考自体に、いわゆる「装飾」や「意匠」という意味でのデザインはあまり関係がないからです。

正解に価値がない時代の思考法

もちろん、デザイン思考とデザインはまったく無関係というわけではありません。アメリカのスタンフォード大学教授であり、デザインコンサルティングファームの共同創設者でもあった人物が考案したデザイン思考は、元々デザイナーがプロダクトデザインを考案するためのメソッドでした。やがてそのメソッドが他のビジネス領域に広まっていくにつれ、デザイン思考という言葉が、「課題発見・解決のための思考法」を意味するようになったのです。

しかし、ビジネスにおける課題解決のための思考法といえば、ロジカルシンキングが有名です。ロジカルシンキングとデザイン思考の違いは何でしょうか。

大きな違いを一つ挙げるとすれば、目的です。ロジカルシンキングは論理によって「正解」を導く思考法。複雑に絡み合った問題を解決するのには適していますが、これだけロジカルシンキングが一般的になり正解がコモディティ化している現在、意地悪な見方をすれば、「他人と同じ答え」「他人でも出せる答え」を出すためのメソッドとも言えます。それではサービスやプロダクト開発において、競合他社や既存のものと違いを出すことができません。

対してデザイン思考は、前例や正解のない中で、まったく新しいイノベーティブな解決策を生み出すための思考法です。だからこそ、これからのIT部門――企業においてDX推進の中心となるべき部署――に求められているのでしょう。言うまでもなくDXとは、正解ありきの施策ではなく、RPAやOCR、あるいはAI、IoTなどの前例の少ないデジタル技術を活用して、企業やビジネス、働き方を今までにない形に変革することだからです。

最近のデザイン思考による成功事例としては、民泊マッチングサイトを運営しているAirbnb (エアビーアンドビー)や、音楽ストーミングサービスでお馴染みのSpotifyといったIT企業が知られていますが、そもそもITの分野にデザイン思考が広まった背景として、従来の開発手法では上手くいかなくなってきたこと、いくら綿密に要件定義をしても、ユーザーのニーズやウォンツに応えられるものを生み出せなくなってきたことが挙げられています。

デザイン思考は「人間中心」思考とも呼ばれています。実際にデザイン思考を導入している日本のある大手企業では、従業員の誤解を避けるために、デザインではなく「顧客志向」という言葉を使っているそうです。例えばテーマがシステム開発であれば、中心に考えるのは機能ではなくユーザー体験。実際にそのシステムを使用するユーザーの利用シーンや業務フローから完成形のアイデアを導き出していきます。

次回は、そのデザイン思考の進め方を紹介します。

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