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  • サービスデスク

2024.02.13

 更新日:

2024.02.13

全2回 社内ITヘルプデスク改善を実現するチャットボット、その可能性とは? 《連載:第1回》 AI、生成AIの活用も――進化を続けるチャットボットの基礎知識

AI、生成AIの活用も――進化を続けるチャットボットの基礎知識

IT/情報システム部門がビジネスに貢献する部署へと変革するためには、社内ITヘルプデスク業務の効率化は避けて通れない課題。今回はそのための有効なソリューションの一つ、チャットボットの基礎知識と活用事例を2回にわたって紹介します。

チャットボットが社内ITヘルプデスク改善に有効な理由

社内ITヘルプデスクは企業がスムーズかつ効率的にITを利活用するために欠かせない存在ですが、その一方で、担当者の人数に対して問い合わせ件数が多過ぎるなど、業務負担の大きさも長らく問題視されてきました。

もちろん問い合わせを減らすために、FAQ(よくある質問)とその回答を社内向けWebサイトに掲示している企業もあります。しかし、従業員からしてみれば該当する質問を探すだけでも手間が掛かるため、結局メールや電話による問い合わせが集中しているケースが少なくないようです。また近年は、多くの企業でクラウドサービスを始め新たなツール・システムの導入が進んでいることも、問い合わせ件数の増加につながっていると言われています。

ただでさえIT/情報システム部門は慢性的な人手不足。社内SEがヘルプデスクを兼ねている企業の場合、問い合わせ対応のために開発が思うように進まないといった状況もめずらしくありません。そこで、こうした事態を抜本的に改善するために現在多くの企業で導入されているのが、今回のテーマであるチャットボットです。

ご存じない方のために説明しておくと、チャットボットとは「chat:軽い会話」と「bot:ロボット」を組み合わせた言葉で、一般的にテキストを通してユーザーと自動応答できる技術を指します。

社内ITヘルプデスクにチャットボットを導入するメリットは、いわゆる一次受け(問い合わせ内容の確認)や簡単な対応を自動化できること。チャットボットで解決できない場合のみ担当者へエスカレーションすれば良いので、業務負担を軽減し、コア業務に時間を割くことができるようになります。またユーザーである従業員側にも、電話待ちやたわい回しによるタイムロスがなくなる、担当者による回答の質・内容のバラツキが減る、気を遣うことなくいつでも問い合わせできる、といったメリットがあります。

ただし、ひと口にチャットボットと言っても様々な種類が存在し、最近は革新的な技術を活用したこれまでにないタイプのサービスも登場しています。

チャットボットの進化の軌跡

いくつかあるチャットボットの種類のうち、従来主流だったのは「シナリオ型(ルールベース型)」と呼ばれるタイプでした。

●シナリオ型(ルールベース型)チャットボット

「以下の選択肢から問い合わせ内容を選んでください」といった選択回答形式の質問を提示し、ユーザーに該当する回答を選んでもらいながら問題解決に導いていくチャットボットです。件数の多い簡単な問い合わせに対しては効果的ですが、事前に想定される質問と回答、解決までの流れ(シナリオ)を作成・登録しておく必要があり、そのための手間が掛かることや想定外の問い合わせに対応できないことなどがデメリットとして挙げられます。

そして近年、新たに主流になりつつあるのが、そのようなシナリオ型のデメリットを補ってあまりある機能を持つAIチャットボットです。

●AIチャットポッド

その名の通り、自然言語処理や機械学習などのAI(人工知能)技術を活用したチャットボットです。大きなメリットは、シナリオ型よりも柔軟な対応ができること。シナリオ型は事前登録した質問・回答しか提示できませんが、AIチャットボットは事前のFAQの学習と自然言語処理技術により、ユーザーがフリー入力した質問に対しても最適な回答をスピーディーに提示することができます。また、ユーザーとの会話ログを蓄積・学習させることで、回答精度を向上させたり回答できる範囲を広げたりすることも可能です。

さらに最近では、世界中で注目を集めている『ChatGPT』を開発した米OpenAIの自然言語処理モデル『GPT-3』を活用したサービスも登場しています。現在目にするのはカスタマーサービス向けのソリューションのみですが、製品カタログやマニュアル、問い合わせ履歴などのドキュメントから自動的にQ&Aデータを生成できたり、回答の正確性とスピードを担保するために問い合わせ内容によって従来のAIと生成AIを自動で切り替える機能を実装していたりと、これまで以上の効率化が期待できる特徴を持っています。

では、このようなチャットボットを企業はどのように活用し、社内ITヘルプデスクの業務改善につなげているのでしょうか。次回の後半記事でその事例を紹介します。

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