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  • 業務プロセス
  • 業務自動化

2023.07.31

 更新日:

2023.07.25

全2回 定番から最新型まで!IT部門を変える「システム運用自動化ソリューション」 《連載:第2回》 AI・機械学習の活用も。システム運用自動化の新たなアプローチとは?

AI・機械学習の活用も。システム運用自動化の新たなアプローチとは?

前回は自動化ツールの定番であるRBAとRPAを取り上げましたが、ますます複雑化・多様化する現在のIT環境においては、より高度な技術が求められるケースが少なくありません。今回は特に近年注目を集めている自動化プラットフォームと、運用自動化の最新トレンドでもあるAIを活用したソリューションを紹介します。

運用管理をまるっと自動化するプラットフォーム

それぞれ自動化機能を持つクラウドツール(SaaS)を組み合わせることにより、インシデント対応を含めた運用管理業務プロセス全般を自動化できるプラットフォームが登場しています。例えば次のような業務を自動化する機能が実装されています。

・セキュリティアラート判断

日々大量に発生するセキュリティアラートを監視・分析する機能です。一般にアラートの大半は過検知・誤検知(正常なソフトウェアをマルウェアであると判断するなど)で占められており、人の目視では本当の脅威や重要度の高いアラートを見逃してしまう恐れがあります。アラート判断自動化機能により、アラートの通知内容を事前に設定したルールに従って解析・分類し、不要な警告を除外することができます。

・エスカレーション(電話・メール)

アラート内容により障害発生が確定すると、対象システムに対して再起動などの処理を自動実行して復旧を図りますが、それでも解決しない場合はエスカレーション自動化機能により、事前に設定した方法と頻度でシステム担当者への通知を自動実行します。1人目の担当者が受諾できない場合は別の担当者へ自動架電するといった設定も可能です。

・ネットワーク機器の設定変更

まだまだ多くの企業が手作業でおこなっている煩雑なネットワーク機器設定変更も自動化することができます。オペレーターが事前に登録した各種設定変更情報を自動でチェックし、ワークフローツールに登録。承認が下りたことを確認すると、ネットワーク機器に設定コマンドを自動で投入し設定変更します。

・脆弱性管理

サーバーなどのシステムの構成情報を自動収集し、脆弱性情報と照合することで、端末の脆弱性を早期発見します。また、定期的におこなわれるスキャンにより管理外の端末が検知されると通知が届くため、不正端末からの接続を防ぐことも可能です。

他にも、ITSMS(ITサービス管理システム)との連携による構成管理の自動化やアカウント発行業務、SSL/TLS通信に必要なSSL証明書管理の自動化なども実現可能です。オンプレミスもクラウドも一元管理でき、対象システムが増加しても人員を増員する必要がないことも大きなメリットと言えます。

最先端の運用自動化アプローチ「AIOps」

“AIによるIT運用”を意味するAIOps(Artificial Intelligence for IT Operations)は、2016年にアメリカのガートナー社が提唱した概念です。具体的には、日々システムで生成される大量のデータ(ログ、メトリクスなど)を機械学習やビッグデータ技術によって解析し、IT運用に適用して自動化するアプローチを指します。

実際はサービスによって異なることもありますが、一般にAIOpsならではの自動化機能としては次のようなものが挙げられます。

・予兆検知

異常検知アルゴリズムや予測分析技術により、問題のある挙動(パターン)を自動的に検知することができます。従来の事後対応型の運用管理から事前対応型管理へ転換が実現でき、システムの安定稼働につながります。

・障害対応

機械学習により、自動で障害発生の根本原因を特定できます。また、ITSMS(ITサービス管理システム)と連携することで、過去のインシデント情報や関連データの分析を通じて類似の問題を特定し、次に取るべきアクションや解決策を提案することも可能です。一部では、AIによる自動修復も可能な自律型のサービスも登場しているようです。

・リソース管理

システムからリアルタイムでデータを収集し、パフォーマンスや負荷状況を分析することで、サーバー、ストレージ、ネットワークなどのリソースを自動的に最適化することができます。また、リソースの使用状況を予測して、必要なリソースの割り当てやスケーリング(増減調整)を提案したり自動調整したりすることもできます。

その他、セキュリティアラートの誤検知排除や、イベント管理・変更管理といったITSM(ITサービス管理)などの自動化も可能です。AIOpsはまだまだ発展途上の技術であり、一部ではデータ品質の観点から「高度な判断が必要な業務を任せるのは時期尚早」という声も上っているようですが、今後も注目が高まっていくことは間違いないでしょう。

以上、2回にわたってシステム運用自動化のソリューションをしてきましたが、いずれも優れたツールではあるものの、むやみやたらに導入しても成功は期待できません。実際、自動化ツールを導入したものの、定着するまでに長期間かかったり、かえって手間やコストが増えてしまったりするケースは多々あります。要因は様々ですが、例えば運用手順書の陳腐化や実際の手順との乖離もその一つ。複雑な運用自動化を進めるにあたっては、事前に既存業務を可視化(たな卸し)し、業務プロセスを標準化することは必要不可欠な取り組みであり、その上で自社に最適なツールを選ぶのがベストです。

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SmartStage編集部

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