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2022.11.22

 更新日:

2022.11.22

全2回 変わるなら今!――IT部門の仕事を根本から改善する方法 《連載:第2回》 ITSMツールによるノンコア業務効率化・自動化のススメ

IT戦略の策定・実施はIT部門にとってシステム開発と並ぶ最重要業務のひとつ。しかし多くのIT部門では、目の前の業務に追われ、そのための充分な時間が確保できていないのが実状です。今回はそうした状況を改善するための有効な方法を紹介します。

ITIL®フレームワークで業務プロセスを見直す

IT戦略に関わる時間を確保するための有効な方法が、ノンコア業務と呼ばれる「社内システム・インフラの保守・運用管理」と「社内システムユーザーのヘルプデスク・サービスデスク」の効率化です。

ただし効率化といっても、アウトソーシングやBPO(業務委託)といった手法はあまり推奨できません。ノンコア業務とはいえ、ともに経営の中核であるIT・デジタルに関わる仕事。短期的には効果を感じられても、長期的には自社にナレッジやノウハウを蓄積できないという大きなデメリットがあるからです。むろん、情報漏洩リスクも看過できません。

目指すべきは、表面的な問題解決ではなく、自社のIT・デジタル力の向上にもつながる根本的な解決です。そのために必要な取り組みが、現状の業務プロセスを見直し、改善および標準化していくこと。そしてその際の最適なノウハウが「ITIL®のフレームワーク」です。

ITIL®(Information Technology Infrastructure Library)とは、イギリスの政府機関が1980年代末から公表しているIT運用管理に関する書籍群のこと。世界中のノウハウや成功事例がまとめられており、ITサービスを安定的に運用管理するためのフレームワークとして数多くの企業で用いられています。これまで何度かバージョンアップを重ね、現在は2019年リリースの「ITIL® Foundation ITIL®4 Edition」(以降、「ITIL®4」)が最新版。DX時代に合わせ、アジャイルやDevOpsなどの要素を取り入れているのが特徴です。

ITIL®のフレームワークを活用するメリットは、業務プロセスの標準化により、IT運用全体の効率化と品質向上を両立できることです。例えば、ひとつ前のバージョンながら現在も広く浸透している「ITIL® V3」では、ITサービス全体を「サービスストラテジ(戦略)」「サービスデザイン(設計)」「サービストランジション(移行)」「サービスオペレーション(運用)」の4つのフェーズに分け、「継続的サービス改善」(PDCA)によってブラッシュアップしていくライフサイクルとして構成しています。

ITIL® V3

これらのフェーズのうち、保守・運用管理とヘルプデスク・サービスデスクは4つ目の「サービスオペレーション(運用)」の領域に該当します。なお、最新版であるITIL®4では、このライフサイクルに代わって「SVS(サービス・バリュー・システム)」という概念が導入されており、価値提供よりも価値共創にフォーカスした内容となっています。

実際のITIL®にはそれぞれのフェーズにおける原則やノウハウが詳細に記載されていますが、それらすべてをマスターして業務に活用するのは時間と労力がかかります。そのため多くの企業は、ITIL®のフレームワークに準拠した「ITサービスマネジメンント(ITSM)ツール」を導入しています。
※ITIL®はAXELOS Limitedの登録商標です。

ITSMツールで業務を効率化・自動化する

ITIL®ベースのITSMツールを活用するメリットのひとつが、ITIL®のフレームワークで運用プロセスを標準化・最適化しつつ、保守・運用管理やヘルプデスク・サービスデスク業務を効率化・自動化できること。言い換えると、煩わしいノンコア業務が着実に回る仕組みを構築できるということです。

■ITSMツールによるサービスデスク・ヘルプデスク業務の効率化・自動化例

進捗状況の可視化からの統制管理ITSMの活用によって、サービスデスク・ヘルプデスク業務を以下のように改善できます。

  • 問い合わせ窓口の一本化
  • 業務プロセスの標準化と自動化
  • 進捗状況の可視化からの統制管理

〈サービスリクエスト管理・インシデント管理・問題管理〉

システムユーザーの問い合わせは普段社内で使用しているメーラーから可能。サービスリクエストやインシデントの内容によって窓口を分ける必要はありません。問い合わせが受理されると、システムが既知の回避策(ワークアラウンド)を自動で検索。新たに原因究明を要する案件については、あらかじめ設定されたプロセスに基づいて適切なオペレーター/チームに自動でエスカレーションされます。そして、アサインされた担当者が業務完了(問題解決)すると、自動で依頼者に完了報告メールが送信され、依頼者の確認処理でクローズされる仕組みです。

このような効率化・自動化と併せて、関係者に進捗状況を可視化できるのも大きなポイントです。リマインダー機能やアラート機能を使えば、期日が迫っている案件や担当が決まっていない案件についての対応漏れを防ぐこともできます。

■ITSMツールによるシステム保守・運用管理の効率化・自動化例

保守・運用管理については、以下のようにITIL®に定められた運用プロセスごとに効率化・自動化する機能が実装されています。

ITIL®に定められた運用プロセス

〈イベント管理〉

すべてのITインフラを監視し、異常なイベント(障害、状態変更)が検知された際に他の管理プロセスへエスカレーションするプロセスです。ITSMツールを活用することで、監視ツールによるイベント検知、イベント発生時の事象選別とインパクト判断、適切な管理プロセスへのエスカレーションまで、すべて自動でおこなうことができます。

〈リリース管理・展開管理〉

リリース管理とは、システムの変更・改善(アップグレード)を安全かつ品質を落とさずに行うプロセスです。ITSMツールでは、各種承認プロセス、リスクヘッジとしてのバックアップ(データ保護)、本番環境への変更(展開管理)など、一連の業務を自動で実施することができます。
他にも一般的なITSMツールには、〈IT資産管理〉の一元化や、情報漏洩を未然に防ぐ〈アクセス管理〉、過去のインシデントから蓄積したナレッジをFAQとしてユーザーに公開する〈ナレッジ管理〉など、保守・運用管理に関するあらゆる業務を効率化・自動化できる機能が備わっています。

ITSMツールの詳細や製品を選ぶポイントは↓の記事が参考になるでしょう。
ITサービス管理ツールに求められるものとは|SmartStage

以上、IT部門の最重要業務であるIT戦略の策定・実施に注力するための業務改善方法について解説してきました。前回記事の冒頭で述べたように、現在は転換期。この記事が、“コストセンター”を抜け出し、自社のビジネス成長に資する“クリエイティブなIT部門”へと変革するきっかけになれば幸いです。

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