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  • 事例

2022.10.12

 更新日:

2022.10.11

全2回 DXの現在地~日本企業のDXはどこまで進んでいるか~ 《連載:第1回》 【事例紹介】日本企業のDXはここまで進んでいる

これからのビジネスに必須の取り組みとして、ますますの盛り上がりをみせているDX(デジタルトランスフォーメーション)。成長意欲の高いIT部門・IT担当者であれば、自社で取り組んでいるか否かにかかわらず、その動向は無視できないはずです。そこで今回は、実際の事例を中心に、日本企業のDXについて紹介していきます。

DXの現状

まずは現状から。まだまだメディアを賑わせているDXですが、実際はどのくらいの企業が取り組んでいるのでしょうか。

1年前のデータにはなりますが、IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)が2021年10月に発行した『DX白書2021』によると、DXに取り組んでいる日本企業は56%で、そのうち全社的に取り組んでいるのは21.7%。少し前の結果とはいえ、アメリカ企業の79%(全社的は36.6%)という数字に比べるとまだまだという印象を受けます。しかし間違いなく言えるのは、今後この数字は増えることはあっても減ることはないということでしょう。

念のためDXの定義を紹介しておくと、「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」(経済産業省『DX推進ガイドライン』)。アナログデータをデジタル化する“デジタイゼーション”や、業務の一部をIT・デジタル化する“デジタライゼーション”の上位に位置する取り組みです。そういった意味では、上述の21.7%の企業こそ真のDX推進企業と言えるかもしれません。では早速、そのような企業の事例を見ていきましょう。

株式会社LIXILのDX事例

数年前からIoT(モノのインターネット)を活用した商品・サービスを次々に生み出し注目を集めているのが、建築材料・住宅設備機器業界最大手の株式会社LIXILです。

その一つが「スマート宅配ポスト」。IoTでスマートフォンと宅配ポストをインターネットで繋ぎ、ユーザーが遠隔で荷物の受け取りや集荷依頼をおこなえるサービスです。宅配ポストにカメラ機能を実装すれば荷物の目視確認や見守りも可能。社会問題化している宅配便再配達の削減にも寄与するという点で、社会貢献度の高いサービスとも言えるでしょう。

もう一つ紹介したいのが「LIXIL Toilet Cloud」。パブリックトイレ(公共トイレ)の利用状況を遠隔モニタリングし、最適な清掃業務プロセスをリアルタイムで設計して指示を出すサービスです。現在、人材不足のためパブリックトイレの清掃・メンテナンス業務のコスト(外注費)が高騰しているそうですが、このサービスを利用することで作業の無駄を省き効率化を図ることができます。

※参考:デジタルトランスフォーメーション銘柄2022|経済産業省(P.26)宅配ボックス スマート宅配ポスト|株式会社LIXILパブリックトイレのメンテナンス業務をDX刷新するIoTサービス「LIXIL Toilet Cloud」提供開始|株式会社LIXIL

AIの活用法

IoTと並んでDXの定番とも言える技術がAI(人工知能)。続いて、そのAIを活用している企業事例を紹介します。

■トラスコ株式会社のDX事例

機械工具専門商社のトラスコ中山株式会社がAIで取り組んでいるのは、サプライチェーン全体の効率化です。自社開発したAIによる見積り自動化ツールでは、販売店から届く1日3万行もの見積りに最短5秒での回答を実現。それまで担当者の勘と経験、そしてExcelに頼っていた発注業務も、AIによる需要予測を活用した「ZAICON3(ザイコン)」という在庫管理システムで自動化し、在庫出荷率も向上させているということです。

※参考:デジタルトランスフォーメーション銘柄2022|経済産業省(P.40)デジタル戦略|トラスコ中山株式会社

■SBIインシュアランスグループ株式会社のDX事例

SBIインシュアランスグループ株式会社は、保険業界のイノベーターとなるべく、ダイレクト損保から「AIドリブンカンパニー」へとビジネスモデルの変革を推進。全社的にAIを導入し、コールセンター受電率向上のための呼量予測や保険金不正請求検知の自動化、紙・PDFの保険証書をスマホで読み取って自動車保険のリアルタイム見積もりができるサービスなど、多様な取り組みをおこなっています。

※参考:デジタルトランスフォーメーション銘柄2022|経済産業省(P.43)テクノロジーの活用|SBIインシュアランスグループ株式会社

AIの魅力は、創意工夫次第で様々な分野で活用できる可能性を秘めていること。現状、ビジネスでは上述の見積もり自動化や需要・受電予測のほか、手書き文字のデジタル化、デザイン・設計案の自動生成、画像認識(解析)、工場機械や製品の予知保全といった使い方が目立ちますが、今後はさらに革新的な活用法やサービスが生まれてくることが期待できます。

もちろんDXでは、IoTとAI以外にも様々な先端技術が使われています。以前紹介したメタバース技術の活用事例も目にする機会が増えてきましたし、暗号資産(仮想通貨)で知られるようになったブロックチェーンもいまや金融以外の分野で広く活用されています。先述のトラスコ中山株式会社が現在構想中という次世代物流センターでは、現実世界を仮想空間上に再現して仮想シミュレーションをおこなえる「デジタルツイン」の活用も進めているようです。

なお、SBIインシュアランスグループ株式会社の事例紹介で出てきた「ビジネスモデルの変革」は、冒頭の経済産業省による定義にもあるようにDXの目的の一つ。とりわけ現在DX推進企業で目立つのは、従来のモノづくり・モノ売りからソリューション(課題解決)やCX(顧客体験)向上を目的とした〈コト売り〉へのシフトです。

■株式会社アシックスのDX事例

大手スポーツメーカーの株式会社アシックスもそうしたシフトを進めている企業のひとつです。無料ランニングアプリ『ASICS Runkeeper™』で見込み客である一般ランナーとの接点を増やし、ユーザー1人ひとりに向けてトレーニングメニューの提案や進捗管理、ランニング中の音声ガイド、世界中どこからでも参加できるバーチャル駅伝レース開催などのサービスを提供。ランニング体験=顧客体験の向上を図りながら、ユーザーのニーズ・行動に関するデータを取得し、EC・D2Cや会員プログラムなどの売上に直結するサービスへとつなげるエコシステムを構築しています。

※参考:デジタルトランスフォーメーション銘柄2022|経済産業省(P.33)

第2回の記事でも引き続き、ユニークかつ革新的な企業のDX事例を紹介していきます。

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