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  • 業務プロセス

2021.11.23

 更新日:

2021.11.23

全2回 IT部門も無縁ではない「インボイス制度」 《連載:第2回》 IT部門が検討すべきインボイス制度対策

前回のインボイス制度の概要に続き、今回はIT部門と関わりの深い電子インボイスや電子データの取り扱い、関連する法制度、各種対策などについて解説します。

電子帳簿保存法について

2023年10月に始まるインボイス制度により、企業(課税事業者)が消費税の仕入税額控除の適用を受けるためには、仕入先・外注先が発行する適格請求書を保存しておくことが新たな要件となります。「請求書」といっても適格請求書に決まった様式はなく、必要事項さえ記載していれば、請求書以外の納品書や領収書を利用しても構いません。また、文書ではなく電子データ、いわゆる電子インボイスでのやりとりも認められています。

電子インボイスには、「計算や照合を自動化できる」「送付や保存に手間とコストがかからない」といった文書にはない大きなメリットがあり、多くの企業での活用が予想されています。ただし、その取り扱いについては文書の適格請求書にはない要件が法律で定められていますので、IT担当者はチェックが必要です。

その法律というのが、文書のスキャナ保存を含む、国税関係帳簿書類の電子データの取り扱いに関する「電子帳簿保存法」です。かつては「内容がデジタル時代にマッチしていない」と批判されることもありましたが、近年は企業のペーパーレス化やデジタルトランスフォーメーション(DX)の波を受け、要件がかなり緩和されています。

例えば2020年度の改正では、クラウド型の会計ソフトや経費精算サービス上に請求書などを電子データのまま保存しておくことが認められるようになりました(データの訂正・削除をできないものに限られます)。また、経費の消費税も仕入税額控除の対象になりますが、キャッシュレス決済の際に領収書の受領が不要になり、クレジットカードや電子マネーを利用して経費を支払った場合には、アプリやWebサイト上の利用明細のスクリーンショットを領収書代わりに扱えるようになっています。

翌2021年度の改正では、文書の請求書などをスキャナ保存する際に義務付けられていた税務署長への事前承認と、スキャナ保存の際の原本確認についても不要になりました。つまり、社員が経費処理の上長決済のためにわざわざ紙の領収書を渡して印鑑をもらう必要がなくなり、代わりにスキャンした領収書をクラウド上にアップして承認をもらうだけでOKになったということです。

ただし、このように法制面でのデジタル化対応は進んでいる一方で、肝心の企業間の取引におけるデジタル化についてはまだまだ障壁が存在しています。

取引先への確認も忘れずに

その一つが、流通や建設、製造業などの大企業を中心に電子取引で利用されているEDI(電子データ交換)というシステムです。ネックは業界ごとに仕様が異なること。他業界の企業と相互にやりとりができないケースがあり、複数の業界と取引している中小企業にとっては導入自体が高いハードルになっています。

もちろん、こうした状況を打開するための動きもすでに始まっています。中でも目立つのが、SAPジャパンや弥生など約120社で構成する「電子インボイス推進協議会(EIPA)」による電子インボイス標準化推進の動きです。2020年12月には国内の電子インボイスの標準仕様を国際規格「Peppol(ペポル)」に準拠して策定すると発表。Peppolに対応すれば異なるソフト間でも電子インボイスをやりとりできる仕組み作りを進めており、同団体の今後の動きも要チェックです。

2023年と聞くとまだまだ先のように感じる方もいるかもしれませんが、日常業務やイレギュラー案件に追われているうちに想像以上に早くやってくるはずです。しかも、IT部門が準備・検討すべきことは多々あります。外部のプログラマーやエンジニアに業務委託しているのであれば課税事業者か免税事業者かの確認が必要ですし、免税事業者であれば先々の取引について検討が必要です。

また、電子帳簿保存法でクラウドサービスの利用が認められているとはいえ、文書でも電子データでも適格請求書の保管義務は7年間。それまで現在のシステムを利用するのか、途中でシステムを変更したりサービスが中止されたりした場合はどうするのか、といったことも事前に考えておくべきでしょう。さらに、今回は詳しく触れませんでしたが、消費税の税額計算の方法や端数処理についても新たな規定が追加されているため、既存システムの調整や見直しも欠かせません。

企業にとって特にメリットはないものの、必要な対応を怠ると利益減少や取引縮小など大きなデメリットをもたらしかねないのがインボイス制度です。大切なのは先を見据えた早め早めの提案や行動。それが今後のIT部門への信頼構築にもつながるはずです。

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SmartStage編集部

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