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  • 業務プロセス

2021.11.18

 更新日:

2021.10.26

全2回 DX時代だから見直したい、ITベンダーの選び方・付き合い方 《連載:第2回》 ベンダーだけでなく、ユーザー企業IT部門にも変革が必要だ

IT部門にとって、最適なベンダーを選び、良好な関係性を構築することは、自社の成長にも影響を与える重要な任務です。そしてDX時代と呼ばれ、ビジネス・テクノロジー両面でレガシーシステムの刷新が叫ばれている今こそ、一度それらを見直すタイミングと言えるでしょう。今回は、ITベンダーを選び、彼らと付き合う上で、気を付けておきたいポイントを紹介します。

ITベンダーの選び方・付き合い方の注意点

ITベンダーを選ぶ際に何より気を付けておくべき点は、企業の規模や知名度だけで選ばないということです。なぜなら、多くのユーザー企業がベンダー選びの判断基準としてトップに挙げる、「技術者やコンサルタントのスキル」がそれだけでは保証されないからです。どの業界でも、なぜか大手=優秀というイメージが強固ですが、現実はどの業界も同じく、人によって大きな差があります。

加えて、ビジネスやテクノロジーの環境変化により、大手に依頼するメリット自体も減ってきています。事実、業界でトップ5と呼ばれてきた大手ベンダーのシェアは、近年じわじわと落ちてきています。その大きな要因のひとつが、クラウドやパッケージソフトの一般化により、大手が得意としていたカスタム開発の必要性が減少したこと。特に人手不足で人材流動性も高い中規模の事業会社の場合、操作習得や引継ぎの際に手間を要する独自システムよりも、使いやすく汎用性も高いパッケージソフトの方が何かと効果的です。

もちろん、グループ企業やパートナー企業と組んで幅広いサービスを提供できることは、大手の圧倒的な強みです。とはいえ、大企業が全社レベルでDXを推進するようなケースを除けば、そうした強みを必要とする企業は多くはないでしょう。要は、名前ありきではなく、自社の目的や求めるスキルを明確にした上で選ぶことが重要ということです。

そして、ベンダーと契約を交わしたら、「お客様」ではなく「パートナー」という意識を持つこと。確かに取引上は購入者と提供者、顧客と業者の関係ですが、しかし、本気でビジネスやプロジェクトを成功させようと思っているのであれば、そのような意識は捨て去るべきです。

経済産業省による『DXレポート2』においても、「ユーザー企業とベンダー企業の協創の推進」の必要性が訴えられており、「企業がラン・ザ・ビジネスからバリューアップへと軸足を移し、アジャイル型の開発等によって事業環境の変化への即応を追求することで、ユーザー企業・ベンダー企業の垣根はなくなっていく」と明記されています。

「協創」とは、つまりこれまで以上に、ユーザー企業にも「積極性」が求められているということです。「丸投げ」はもちろんのこと、「待ち」や「お任せ」の姿勢もNG。何と言っても、ベンダーはユーザー企業の業務やビジネスについては素人です。「これくらい伝えなくても理解しているだろう」とか「分かっているはず」といった思い込みは、納品後に「思っていた品質と違う!」という事態を招くだけです。

そうならないように、必ず事前に職場や現場を案内し、課題とともに自社の業務や独自のプロセスなどについて説明すること。自社の企業ミッションやカルチャーを共有するのも良いでしょう。こうしたプロジェクト業務に直接関係のないマインド面の共有こそ、両社の垣根を壊すのに有効です。

ユーザー企業に必要な取り組み

第1回目の記事で触れたCOCOAの件も、厚生労働省による「大手ベンダー」への「丸投げ」、つまり「お客様」意識がバグを招いた要因のひとつです。

とはいえ、変な言い方ではありますが、バグのようなわかりやすい被害であれば、対策を立てやすい分、まだマシなのかもしれません。経済産業省は『DXレポート2.1(DXレポート追補版)』(2021年8月31日発表)において、現在、多くのユーザー企業とベンダー企業が相互依存的な関係、しかも「デジタル競争を勝ち抜いていくことが困難な『低位安定』の関係に固定されてしまっている」と論じ、そしてその結果、ユーザー企業は「ベンダー任せにすることでIT対応力が育たない」「ITシステムがブラックボックス化」「ベンダーロックインによって経営アジリティが低下」「顧客への迅速な価値提案ができない」という深刻な状態に陥っていると記しているからです。

もちろん他方では、ユーザー企業が「デジタル競争を勝ち抜いて」いけるように、様々な取り組みを始めているITベンダーが存在します。今やコンサルタントにも開発現場に関する知識が求められる時代。コンサル担当者にプログラミング研修を設けている企業も増えています。さらに、DX支援を掲げていながら実情は業務のIT化・デジタル化レベルというベンダーも多い中、真にデジタルの力でユーザー企業のビジネス最大化に貢献すべく、経営層に対して積極的に「業務革新から新しい価値創造までの提案」をおこなっているベンダー企業もあります。

そしてユーザー企業側が、こうした志の高いITベンダーを選び、「パートナー」として「協創」していくためには、ベンダー企業に関する情報とともに、プロジェクトの基礎や開発プロセスについての必要最低限の知識を習得する必要もあります。これも前回の記事で述べましたが、プロジェクトの成否は、どちらか一方ではなく、ユーザー企業とベンダー企業の両者に掛かっているからです。

最後にこんな一例を。2009年5月21日、東京地裁であるIT訴訟の判決が出されました。頓挫したプロジェクトの代金と損害賠償をあわせて約3,000万円を請求したのは、ユーザー企業ではなくITベンダー。そして勝訴したのもベンダー側でした。その判決理由は、「ユーザー企業のプロジェクトメンバーがあまりにも自社業務や開発プロジェクトの基礎について無知だった」というもの。そのせいで要件定義の工程が大幅に遅れ、プロジェクトの失敗を招いたと、東京地裁は判断したのです。

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SmartStage編集部

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