SmartStage

IT部門をビジネスクリエイティブ集団にpowerd bysmart stage

IT部門をビジネスクリエイティブ集団に

システムの安定稼働、コスト削減、コンプライアンス強化など、IT部門の「作業」は年々増加しています。
しかし、新規事業や新技術の立ち上げなど、企業力強化のうえで不可欠なものは、IT部門の「知恵」です。
IT部門がビジネスクリエイティブ集団に生まれ変わるためのヒントやトレンド情報をご提供いたします。

sp_kv

  • 業務プロセス

2021.10.12

全2回 DX時代だから見直したい、ITベンダーの選び方・付き合い方 《連載:第1回》 実在する「信頼できない」ITベンダー

しばしば「変革への意識が乏しい」と言われる日本のIT部門。当然ながら、従来のやり方や環境にこだわっていては、さらなる成長も自社への貢献も期待できません。それは業務だけでなく、取引先ベンダーとの関係についても同じこと。特にデジタルトランスフォーメーション(以下:DX)時代とも呼ばれる現在、まずIT部門が見直すべきは、ITベンダーの選び方と付き合い方かもしれません。

見過ごせない現実

テクノロジーが社会やビジネスを大きく変えつつある現在、ITベンダーとの付き合いは、企業にとってこれまで以上に必要不可欠になってきたと言っても過言ではないでしょう。

それは、必ずしも現在DXを推進している企業のような、先進的企業に限りません。例えば、経済産業省は『DXレポート』(2018年9月発表)において、IT部門の業務を「ラン・ザ・ビジネス」(ヘルプデスク業務やPC管理、システム監視など、現行ビジネスの維持・運営)と「バリューアップ」(ビジネスモデル構築やサービス開発を通じて新たな付加価値を創出すること)の2つに分け、現状、ほとんどの企業が「ラン・ザ・ビジネス」に人材などのリソースを費やしていると指摘しています。こうした状況を改善するためには、「ラン・ザ・ビジネス」に関してはベンダーの力を借り、自社IT部門は「バリューアップ」に時間を割くことのできる体制づくりが必要です。

しかし一方で、見過ごすことのできない現実もあります。それは、必ずしもすべてのITベンダーが信頼できるわけではないということです。

そのことを証明する最近の事例が、新型コロナウイルス感染症対策として厚生労働省よりリリースされた、接触確認アプリ「COCOA(ココア)」に関する事件です。ご存じの方も多いでしょうが改めて説明すると、濃厚接触の疑いのあるアプリ利用者間の接触をBluetoothによって検知・記録し、接触者から陽性者が発生した場合はその旨を通知するという仕組みのはずが、2021年2月、Androidアプリで陽性者との接触が“通知されないという不具合が判明したのです。そして、その不具合の要因のひとつが、開発を委託された大手ベンダーが実機を用いたテストをおこなっていなかったことでした。

さすがにこれほどの怠慢は他で目にする機会もなかなかありませんが、しかし、「ダメなベンダー」という意味ではまだまだ氷山の一角に過ぎないのです。

ダメなITベンダー例

例えば世の中には、以下のようなITベンダーも存在します。

現場担当者がスキル不足

必要最低限のスキルを持つスタッフを揃えることは、ITベンダーにとって義務のはず。現場スタッフのスキルが足りなければ、成果物の品質は低下し、プロジェクトは迷走し、デスマーチが鳴り響きます。常識的に考えてありえないと思われる方もいるかもしれませんが、慢性的な人手不足と教育体制や人材育成環境の不備により、大手でも該当するベンダーが少なくありません。逆に現場担当者のレベルが高くても、組織力が不十分で、サービス体制が属人的過ぎるベンダーも不安です。担当者が変わった途端に品質が低下したり、その人物が他の用件でつかまらない場合、業務が進まなかったりするからです。

技術・知識がDX時代に追いついていない

DXや新プロジェクトなどでアジャイル開発に取り組みたいユーザー企業は増えています。しかし、依然としてウォーターフォール型開発の手法でしか提案がなかったり、アジャイル開発の知識・経験を持っていなかったりするITベンダーは存在します。無論、トレンドに敏感なだけのベンダーは論外ですが、少なくともAI(人工知能)やIoT(インターネット・オブ・シングス)、データ分析、それらに使用するPython などの最新プログラミング言語、さらにRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)のようなDX推進における基本ツール、最新セキュリティなどについての知識は必須と言えるでしょう。

提案力がない

ただし、どれだけ最新のIT・テクノロジーに対応できても、ユーザー企業にとって価値のある施策提案ができなければ意味はないはずです。ところが実際は、ごくごく一般論的な提案やメリットばかりをアピールする提案、あるいは「あれもできます、これもできます」みたいな説得力に欠ける提案が少なくありません。ユーザー企業が求めているのは、事業や経営にどのような貢献ができるのかという具体的な説明のはず。加えて、現状や課題を言葉通りに捉えるのではなく、プロの視点で本質的な問題を掘り起こしてほしいというのが本音ではないでしょうか。

以上、「ダメなITベンダー」の例を挙げてきましたが、とはいえ、開発やプロジェクトの失敗を、すべてベンダー側の責に帰すことは間違いです。それは先述のCOCOAの件についても同様。実際は、厚生労働省側が実機テストの未実施を品質上のリスクと認識していなかったことも大きな問題です。

さらにもう一つ大きな問題がITベンダーへの発注プロセスです。ご存じの方も多いかと思いますが、事後の検証によって、厚労省は接触確認アプリ開発に十分な知見のない業者にベンダー選考を「丸投げ」していたことが明らかになっています。

では、ユーザー企業はITベンダーを選ぶ際、どういった点に気を付ければ良いのでしょうか? 次回の記事で、プロジェクト開始後における付き合い方とあわせて解説します。

全2回DX時代だから見直したい、ITベンダーの選び方・付き合い方

SmartStage

SmartStage編集部

IT部門がビジネスクリエイティブ集団に生まれ変わるためのヒントやトレンド情報を発信していきます。

「システム運用改善セミナー」ITIL準拠のサービスデスク管理システムが構築できる「SmartStageサービスデスク」を体験! 《システム運用改善事例》 西武グループ、イオングループ、JALグループの運用事例に学ぶ!