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2021.09.28

全2回 DXで注目!基礎から知るクラウドネイティブ 《連載:第2回》 技術だけでクラウドネイティブは実現できない

クラウドネイティブなアーキテクチャを構築するためには専門的な知識やスキルが欠かせませんが、それだけでも上手くいきません。今回はクラウドネイティブを実践する上で、もうひとつ重要なポイントについて解説します。

クラウドネイティブにふさわしい組織とは

クラウドネイティブを活用し、そのメリットを最大限生かすために必要なこと。それは組織文化の変革です。

IT業界で有名な「コンウェイの法則」をご存知でしょうか。「システム設計の構造は組織構造に影響されやすい」といった意味の法則ですが、言い換えると、「組織の構造と異なる構造のソフトウェアは作ることができない」ということ、組織構造はソフトウェアの構造に合わせるべきということでもあります。

前回説明した通り、クラウドネイティブの基盤となるマイクロサービスは分散型のシステム。つまり、コンウェイの法則に準ずるなら、開発・運用組織も同様に、サービスごとに小さなチームに分かれる分散型が有効というわけです。加えて、スピードと柔軟性が求められるアジャイル開発においては、単なる分散型ではなく、各チームが意思決定の権限を持つ自律分散型がベスト。実際、前回クラウドネイティブの導入事例として挙げたNetflixでも、それぞれのサービスに責任を持つ小規模なチームを多数組織し、各チームが独自に判断を下せるようにしているそうです。

さらに、業務の進め方も見直す必要があります。例えば多くの企業で採用されているPDCAサイクル。事前に決めた計画(Plan)を着実に進められるという点では優れたフレームワークですが、柔軟性に欠け、クラウドネイティブには馴染みません。代わって注目を集めているのがOODA(ウーダ)ループです。OODAとは、監視(Observe)、情勢判断(Orient)、意思決定(Decide)、行動(Act)の頭文字を並べたもの。PDCAのように計画ありきではなく、状況に応じて意思決定し、アクションを起こすという考え方です。

とはいえ、こうしたノウハウ的なものよりも、クラウドネイティブを実現する上で一番重要なのは、「失敗を奨励する」組織づくりかもしれません。クラウドネイティブがスピードと柔軟性に優れているということは、イコール、トライ&エラーが容易であるということ。「失敗は許されない」といった古めかしい認識は、そのポテンシャルを潰してしまうことになります。あらかじめ失敗を前提としたマイルストーンを設定しつつ、「早めの失敗は効果的」「失敗は学習と改善の機会である」といった認識を、上層部含めメンバー間で共有しておくことが大切です。

IT部門が「ビジネス抵抗部門」に?

とはいえ、ここまで述べてきたことは、あくまでクラウドネイティブの一般的な解説です。クラウドネイティブには決まったモデルはありませんし、最適解も企業によって異なります。前回クラウドネイティブの基盤は「コンテナを活用したマイクロサービス」と説明しましたが、それも必ずしもそうである必要はありません。状況によってはコンテナではなく仮想マシンで対応できるケースもありますし、マイクロサービスのような分散型でなく、単一で大規模なモノリシックなアーキテクチャで工夫して運用している企業も存在します。

さらに言うと、オンプレミス環境で中長期的にビジネスの成長が見込めるのであれば、急いで全面的にクラウドネイティブ化する必要もないはずです。拡張性や俊敏性を犠牲にしても、データの安全性や運用の安定性にメリットを感じ、クラウドネイティブ開発をオンプレミス環境で行う企業も増えているそうです。確かに6割の企業の基幹システムが老朽化するという『2025年の壁』は深刻な問題ですが、重要なのはビジネスの成長、企業の競争力向上であって、システムもテクノロジーもそのための手段にすぎないからです。

しかし一方で、無視できないデータもあります。

IMD(International Institute for Management Development:国際経営開発研究所)が2019年に発表した『IMD世界競争力ランキング2019』。そこで企業の変化対応力を示す「企業の俊敏性」「起業家精神」の2項目で、日本は63カ国中、最下位でした。

もう一つが、米ガートナー社が同じく2019年に発表した『パブリッククラウドへの支出率からみた2022年の世界国別ランキング』。2022年に日本はクラウド利用の面で世界最下位ランクになり、クラウド「遅滞国」どころか、インドネシア、アルゼンチンと同じクラウド「抵抗国」に分類されると予測されているのです。

前回、「ダイナミック・ケイパビリティ」という言葉を紹介しましたが、これからの企業にとって「変革力」こそが競争力の源泉です。そして何かを変革するためには覚悟が必要です。明確な理由もなく、単にその覚悟がないことがクラウドネイティブ化を妨げているのだとしたら、IT部門が「ビジネス抵抗部門」と呼ばれても仕方がないかもしれません。

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SmartStage編集部

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