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  • システム運用

2018.08.21

全2回 マルチクラウドの今、あるべきベンダーマネジメントの姿とは 《連載:第2回》 ベンダーパフォーマンスを管理し、ベンダー価値の最大化を図る

前回では、ベンダーマネジメントの必要性について言及しましたが、ITソリューションの多様化が進むに連れ、一部のITベンダーに依存したIT構築の体制は、時代に即した情報基盤への対応の遅れやリスク、コストにつながることもあります。ここではベンダーマネジメントの重要なポイントを解説します。

今後のベンダーマネジメントの重要ポイント

ベンダーマネジメントの最大の目的は「ベンダー価値の最大化」であり、ITシステムのライフサイクル全体を通してベンダーのパフォーマンスを管理していく必要があります。

ここでまず求められるのは、「ベンダーに発注さえすれば、あとはすべて任せておけばよい」という情報システム部門自身に内在している“誤解”や“依存体質”を払拭することです。各システムの担当者1人ひとりが主体性と責任感を持ち、プロジェクトに積極的に関与していく必要があります。これによってはじめてベンダーとの良好な信頼関係を築き、緊密なコミュニケーションのもとで良い情報も悪い情報もタイムリーに共有する、ひいては総合的かつ客観的な評価を行うことが可能となります。

そしてもう1つベンダーマネジメントにおける重要な観点が「リスク管理」です。例えば契約したベンダーが突然倒産するといった事態が起こると自社が受ける影響も甚大なだけに、ベンダーの財務状況が健全であるかどうか、契約時のみならずファイナンスリスクを常に把握しておく必要があります。

同様にプロジェクトが途中で破綻してしまうオペレーションリスク、各種法規制への抵触やセキュリティの不備によるコンプライアンスリスク、ベンダーの経営方針の転換やM&Aなどに起こる製品提供の中止や提供価格の値上げなどの戦略リスク、海外ベンダーと契約する際のカントリーリスク(地政学リスク)などについても十分な考慮が不可欠です。

VMO(ベンダーマネジメント組織)の確立が急務

あるべきベンダーマネジメントの体制を確立し、推進していくために理想的なのが、その専任組織となるVMOVender Management Office)の設立です。

なぜ専任化が望ましいのでしょうか。ここまで述べてきたようにベンダーマネジメントにおいては経営とビジネス現場の双方の目線に立ってベンダー価値の最大化やリスク管理をリードしていく必要があり、それには非常に高度なスキルが必要とされます。加えて、ベンダーマネジメントのノハウは決して属人化されてはならず、会社全体のナレッジとして蓄積し、改善とレベルアップを図りつつ継承していく必要があります。

実際、VMOが担うミッションはIT調達(ベンダーの評価・選定支援、ベンダーとの交渉・契約、支払管理)からベンダーリレーション管理(パフォーマンス管理、IT戦略の共有、マネジメントコミッティの設営)、ベンダー戦略策定(ベンダーポートフォリオ評価、単価管理、リスク管理・市場調査)など広範な領域に及びます。こうしたことを考えると、他の業務を抱えた片手間で対応するのは困難です。

また、ワークフローのシステム化や情報共有基盤の構築など、VMOの活動そのものをITによって効率化するという視点も必須です。

こうした人的にも機能的にも充実したVMOが中心となって全社的なベンダーマネジメント能力を底上げしていくことで、クラウドベンダーやスタートアップ企業を含めた多様なベンダーとの良好なコミュニケーションを確立するとともに、取引プロセスを透明化することが可能となります。

これによってコスト削減のみならずコンプライアンス強化や経営のスピードアップ、環境変化に対応したアプリケーションのアジャイルな展開、デジタルトランスフォーメーションの加速といった変革を成し遂げ、ベンダーとのシナジーによって生み出す価値を最大化することができます。

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