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  • 事例

2023.06.01

 更新日:

2023.05.30

全2回 『ChatGPT』で再注目! 企業のAI活用事例 《連載:第2回》 必見!! AIによる新ビジネス創出事例&『ChatGPT』の活用事例

必見!! AIによる新ビジネス創出事例&『ChatGPT』の活用事例

今回はAI技術を活用してB to Bビジネスを創出した企業の事例と、現在最も注目を集めているAI『ChatGTP』について紹介します。

AIを活用したB to Bビジネス創出事例

■電機メーカーによる配送計画最適化サービス創出事例

電機通信機器メーカーの沖電気工業株式会社は、物流におけるルート配送の配送計画を最適化するクラウド(SaaS)型のサービスを開発。2023年3月27日より販売を開始しています。

サービスの特長は、独自開発したAI技術により、これまで熟練社員の経験に依存することが一般的だった配送ルートや積載量の設定を短時間で自動的に立案してくれるところ。高効率かつ渋滞や通行規制を配慮したルート提案が可能な点も大きなメリットです。共創パートナーとして物流企業の株式会社ロンコ・ジャパンが関わり、異業界でのビジネス創出事例としても注目に値します。

※参照:AIによる配送計画最適化サービス「LocoMoses™」の販売開始|沖電気工業株式会社

■AIを活用したDX支援ビジネス創出事例

SREホールディングス株式会社は、自社でのAI開発・活用で蓄積したノウハウを用いて新たなビジネスを創出しています。同社創業時のメイン事業は不動産売買仲介。その業務効率化のためにアジャイル開発し、活用してきた不動産査定価格自動査定ツールを、不動産業界や金融機関に向けてクラウドサービスとして外販しています。

プロバイダーとしてUI/UXの磨き込みはもちろんのこと、顧客からのデータ提供によってAIの精度を高める「データエコシステム」を構築するなど、サービス価値の向上にも積極的。契約数も順調に伸びており、その後コンサルティング事業も開始しました。不動産業界というDXの進みの遅い業界で、新たなソリューションビジネスを創出した見事な事例と言えるでしょう。

※参照:DX銘柄2022|経済産業省
※参照:当社クラウドサービスのブランドを「SRE CLOUD」にリニューアル~ 導入社数は2年で約3倍に増加、不動産/金融業界のDXを推進~|SREホールディングス株式会社

話題の『ChatGTP』とは

第1回目の記事から様々なAIの活用事例を紹介してきましたが、現在最も関心を集めているAIと言えば、間違いなく『ChatGPT(チャットGPT)』でしょう。

念のために説明しておくと、『ChatGPT』とは米Microsoft傘下のOpenAIが2022年に公開したジェネレーティブ(生成系)AIの一種。大量のテキストデータを使って学習する〈大規模言語モデル(LLM:Large Language Model)〉を基盤技術としており、人間が入力した質問を理解し、自然な文章で回答してくれることから“対話型AI”とも呼ばれています。

リリースから2か月でユーザー数は1億人を突破。当初は応答精度の低さを指摘する声も少なくありませんでしたが、2023年3月に大幅に進化した『GPT-4』が公開されています。

上のデモ動画で紹介されているように、質問の受け答えだけでなく、文章の要約や複雑な税務計算、さらに手書きのスケッチをスマホカメラで取り込んでWebサイトのプログラムコードを生成することも可能。既に外部アプリケーションから利用できるAPIの公開も始まっており、ビジネスでも様々なサービスが登場しています。

ビジネスでの『ChatGTP』サービス事例

■カスタマーサポートへの『ChatGTP』サービス事例

アメリカの大手食品ブランドは、Webサイト上でユーザーが好みの味や食感などの質問に回答すると、『ChatGPT』が最適なオーダーメイドのチーズの盛り合わせを提案してくれるサービスを開始しています。それとやや似た仕組みですが、日本でも、ECサイトでユーザーが悩みを入力すると、サイト内から最適な商品をレコメンドしてくれるアプリを開発・提供している企業があります。

■マーケティングへの『ChatGTP』サービス事例

あるシリコンバレーのスタートアップ企業は、Web広告を自動作成できるプラットフォームに『ChatGPT』のAPIを活用したクリエイティブ生成ツールを実装。ユーザーが宣伝する製品やキャンペーン内容、広告に表現したいトーン&マナーに関する情報を入力すると、クリエイティブのブリーフ(設計図)を自動生成してくれます。日本では、リスティング広告最適化プラットフォームに広告文のレコメンド機能を実装したサービスが登場しています。

■医療分野への『ChatGTP』サービス事例

ITで医療支援をおこなっている国内スタートアップ企業が、医師向け臨床支援アプリに『GPT-4』を活用した機能の試験的導入を開始しています。患者の情報を入力すると、数秒で患者一人ひとりに合わせた簡潔でわかりやすい病状説明の文章を生成してくるというもの。ただし、現在はあくまで参考情報としての使用を推奨しています。

他にも、商談内容を要約・分析して次のアクションを提案してくれる営業向けツールや、記事コンテンツを自動生成するサービスなど、「毎日新たなサービスが誕生しているのでは?」と思わずにいられないほど、『ChatGTP』を使ったサービス開発は活況を呈しています。

とはいえ、上述の医師向けサービスでも注意喚起されているように、その回答や提案を100%鵜呑みにするのはリスキーですし、また、『ChatGPT』が作成したコンテンツに関しては検索エンジンからペナルティを受ける可能性も指摘されており、まだまだ利用する上で気を付けるべき点は多々あります。

とりわけ『ChatGPT』で問題視されているのがセキュリティ面でしょう。学習に用いられたデータに個人情報が含まれていたことが明らかになり、イタリアではその収集方法を調査するために国内でのサービスを一時停止。同様の措置がヨーロッパ各国で続く可能性も浮上しています。企業ではAmazonが情報漏えい対策として、従業員に『ChatGPT』へ機密情報を送信しないよう警告しています。

いずれにせよまだまだ技術としては黎明期。企業のIT担当者としては、他のバズワード同様、極端な肯定・否定論に流されることなく、冷静に動向を注視していくのが最善策と言えるでしょう。

※参考:大規模言語モデルでロボットはどう進化するのか、いい意味で「予測不可能」な未来とは(ビジネス+IT)
※参照:ChatGPTを組み込んだ事例が続々と ほか(インプレス)

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SmartStage編集部

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