- 業務プロセス
- 事例
2023.06.01
更新日:
2022.02.22
全2回 K-POPからビジネスまで活用が進む「メタバース」とは? 《連載:第2回》 【事例紹介】すでに日本企業でも活用されている「メタバース」
まだまだ発展途上とはいえ、日本企業でもVRを始めとするメタバース技術の活用は進んでいます。今回はその中から、DXやIT関係者なら見逃せないユニークかつ革新的な事例を紹介します。
ITサービス運用でお困りなら、ITサービス管理ツール「SmartStageサービスデスク」へ
用途別のメタバース技術活用事例
小売り(EC)への活用事例
デジタル化が遅れていると言われてきたアパレル業界で、コロナ禍以前から積極的にDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進してきたことで知られる株式会社BEAMS。同社は、2020年・21年に、仮想空間内で商品を売り買いできる世界最大のバーチャルイベント「バーチャルマーケット」に出展、スタッフのアバターを用いてバーチャル接客をおこない好評を博しました。
参考:情報解禁第二弾!! BEAMSがメタバース上で開催される世界最大のVRイベント「バーチャルマーケット2021」に出店! リアル&3Dアイテムを販売!|株式会社BEAMS
マーケティングリサーチ(消費者行動調査)への活用事例
2021年12月、アイトラッキングに関するサービスを手がけるトビー・テクノロジー株式会社は、3次元仮想空間を活用した消費者行動調査サービスを開始しました。アイトラッキングとは、ユーザーの視線の動きを可視化する技術のこと。同サービスはVR技術を活用し、パソコン上に映し出された仮想店舗内での視線の動きを探るのが特徴です。リアル店舗で実施するよりも、棚や商品配置などを簡単に変更することができ、従来は1カ月程度かかっていた分析を1週間に短縮することができるようになったということです。
参考:メタバースでもアイトラッキング!第1弾は、消費者行動調査に活用|トビー・テクノロジー株式会社
就職活動サービスへの活用事例
就活関連のWebメディアやマッチングDX事業を展開するポート株式会社は、2021年12月、その名も「就活メタバース」というサービスをリリース。コロナ禍でオンライン面接は普及したものの、「対面に比べて、人柄やパーソナリティーが伝わりづらい」という課題を受けて開発したサービスで、バーチャル空間上で自身のアバターを操作し、キャリアコンサルタントと就職相談ができます。まるで対面で会話をしているようなリアル感があり、同社は今後、メタバース空間での面接プラットフォーム開発なども積極的に検討を進めていくということです。
参考:業界初!メタバースを活用した就活相談サービスを正式リリース|ポート株式会社
リアル都市との連動+雇用創出への活用事例
特定のサービスにとどまらず、リアルに存在する街と連動した仮想空間を立ち上げたのがKDDI株式会社です。2020年5月から運営している渋谷区公認の『バーチャル渋谷』では、ファッションビル『SHIBUYA109』など実際の渋谷の街並みを再現。
また、音楽やトークライブなどのイベントも開催しており、2021年10月のハロウィーンイベントでは55万人を集めるなど盛況を見せました。同社は2022年春から都市連動型メタバース『バーチャルシティ』の運用を始める予定で、アバターを使ったアルバイトなど、雇用創出につながるサービスも予定していると発表しています。
参考:都市連動型メタバースとは?バーチャル渋谷など仮想空間サービスを仕掛けるauの戦略|「TIME&SPACE」 by KDDI
以上はいずれも規模の大小にかかわらずユニークな活用事例ですが、もちろんこれだけではありません。ソニーグループ株式会社はイングランドの強豪サッカーチーム、マンチェスター・シティ・フットボール・クラブとのパートナーシップを締結。前回紹介したK-POPでの活用事例と同様、仮想空間上で新しいファン・エンゲージメント・プラットフォームの構築を目指しています。
参考:マンチェスター・シティ・フットボール・クラブとオフィシャル・バーチャル・ファンエンゲージメント・パートナーシップ契約を締結|ソニーグループ株式会社
他にも、ソーシャルゲーム・プラットフォーム 『GREE』を運営するグリー株式会社は、2021年8月にバーチャル空間内で自由に歩き回り、アバター同士でコミュニケーションをとることができる機能をアプリ内において期間限定で公開。同社は今後2、3年でメタバース事業に積極投資をおこない、グローバルで数億人規模のユーザー獲得を目指していることを明らかにしています。