- 業務プロセス
2022.02.15
更新日:
2020.06.25
全2回 eラーニングの導入にあたってIT部門が果たすべき役割 《連載:第2回》 IT部門がe-ラーニング導入のためにできること
前回の記事では、e-ラーニングの導入に向けて会社全体として取り組むべき準備や課題について紹介してきました。今回の記事では、IT部門の役割にフォーカスして考えてみましょう。大きく分けてe-ラーニングのシステム選定の段階におけるポイントと、導入後のポイントについてピックアップしています。
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全2回eラーニングの導入にあたってIT部門が果たすべき役割
e-ラーニングのシステム選定でIT部門が注意すべきポイント
e-ラーニングの導入に向けて解決すべき課題や準備はさまざまなものが考えられますが、中でもIT部門が対応しなければならない準備項目の一例としては以下が挙げられます。
まずはe-ラーニングを導入する前のシステム選定の段階において注意するポイントをピックアップしてみました。
課題1:教育用コンテンツは誰が用意するのか
一口にe-ラーニングといってもさまざまなコンテンツがあり、同じ業種であっても会社によって導入すべきコンテンツは異なるものです。自社にとって必要なコンテンツは自社の人間でなければ分からないため、コンテンツ内容の精査は社内で協議する必要があります。
中には自社のIT部門が教育用コンテンツを制作する場合もあるため、あらかじめIT部門の対応範囲を明確に決めておく必要があります。
課題2:受講できる端末は何を指定するのか
現在多くの企業が採用しているe-ラーニングシステムは、パソコンはもちろんスマートフォンやタブレット端末などマルチデバイスに対応したシステムが主流となっています。特にリモートワークに対応する企業が増えてきている中で、いつでもどこでもe-ラーニングを受講できる環境は必須といっても過言ではありません。
ただし、セキュリティ対策の観点から考えたとき、私用端末からはアクセスを禁止などの一定のポリシーは必要です。これは会社ごとのセキュリティポリシーと照らし合わせたうえで検討する必要もあり、慎重な対応が求められます。
課題3:既存の人事システムなどがある場合は連携するのか、その方法
人事部門や総務部門なども含めたバックオフィス業務の効率化を目指し、現在多くの企業ではタレントマネジメントシステムの導入が進んでいます。社員情報を一元的にクラウド上で管理できるシステムで、その他さまざまなデータと連携できるメリットがあるため、e-ラーニングの受講履歴を管理し、人事評価の材料にすることもできます。
ただし、タレントマネジメントシステムによってはAPIによって連携できるものもあれば、自社で提供しているシステムとしか連携できないもの、そもそもe-ラーニングの受講管理に対応していないものなどもあります。すでにタレントマネジメントシステムを導入している場合は、事前に提供元に確認しておくようにしましょう。
運用サポートが充実したベンダー選びも大切
e-ラーニングのシステム選定が終わったら、次に実際に導入した後の運用時にかかわるポイントを検討していきましょう。具体的なポイントとしては以下の2点が挙げられます。
課題1:受講履歴などのトレースはどのように行うのか
社員数が多くなればなるほど受講者の管理は煩雑になるものです。そのため、管理画面などで未受講者と受講者を確認し、未受講者に対しては受講の催促やアラートを発出するような仕組みが求められます。
多くのe-ラーニングシステムには受講者のトレース管理を行う機能が実装されていますが、管理画面の見やすさやカスタマイズ性、集合研修の管理なども一緒にできるシステムもあるため、複数のe-ラーニングシステムを比較したうえで検討するようにしましょう。
課題2:効果検証の方法
単にe-ラーニングを受講したか、未受講であるかをトレースするだけではなく、本当の効果を把握するためには研修終了後の成績管理や精度の高い効果検証を行うことも重要です。
e-ラーニングシステムの中には人事評価や業績なども一緒に管理できるものもあるほか、アンケートを実施して社員の意識調査を行うこともできます。これによって、漠然と同じ研修コンテンツを提供するだけではなく、受講した社員の満足度や成績まで分析し、今後どのような研修コンテンツを用意すれば良いのか参考にすることも可能です。
e-ラーニングシステムの構築や実際の運用は、IT部門だけが独立して対応する必要はなく、あくまでも複数の部門が協力して構築していくことが大前提です。また、e-ラーニングを導入後に安定した運用体制を確保するためには、ベンダーのサポートも欠かせません。サポート体制がしっかりとしており、信頼できるベンダーを選ぶことも重要なポイントのひとつです。
今回紹介したポイントはあくまでも一例であり、会社によっても部門ごとの役割は異なるはず。自社にマッチしたe-ラーニングを導入するためにも、上記のポイントを参考にしつつIT部門が担うべき役割を具体的に検討してみましょう。