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2026.02.10

 更新日:

2026.02.10

全2回 データを“価値”に変えるための第一歩——メタデータ管理とデータカタログ 《連載:第1回》 データ分析から生成AIまで、重要性を増す「メタデータ管理」

IT部門“変革”のヒントに! 2026年のITトレンド・注目キーワード10選〈前編〉

デジタル化の進展に伴い、日々の企業活動で生み出されるデータ量は加速度的に増え続けています。その中身も、従来のExcelなどで扱われる表形式の「構造化データ」だけでなく、テキスト、画像、音声、映像といった、決まった形式を持たない「非構造化データ」が大きな割合を占めるようになりました。

しかし、こうした膨大かつ多様なデータをビジネスでの成果につなげられている企業は決して多くありません。それどころか、「必要なデータがどこにあるのかわからない」「データの入力形式が部署ごとでバラバラ」といった、データ活用の入り口でつまずいているケースも散見されるのが実情です。

こうした課題を解消し、企業のデータ活用を加速させる鍵となるのが「メタデータ」です。

データを理解・説明するための情報

メタデータとは、一定のルールに従って記述された「データに関する情報」、言い換えれば「データを説明・理解するための情報」を指します。

よく挙げられる例として、食品表示ラベルに記載されている原材料名や賞味期限、製造者や、図書館で作成する図書目録に記載されている書名、著者名、出版社、分類番号などがあります。いずれも中身を直接確認しなくても、対象を理解し、どのように扱うべきかを判断するための手掛かりとなる情報です。

ビジネスデータでも同様です。例えば顧客データであれば、「データ名(例:顧客リスト20××年度)」「作成日」「作成者」「データフォーマット(例:CSV)」などがメタデータとして扱われます。画像データであれば、「撮影日時」「使用したカメラの機種」「位置情報」などが代表的なメタデータです。

ただし、実際のデータ活用の現場では、こうした基本的な属性情報にとどまらず、データの定義や意味、出所(ソース)、適用範囲など、より多様なメタデータが用いられています。

なお、ここで言うデータの“定義”や“意味”とは、利用者が目的に沿ったデータを発見・活用できるように、例えば「アクティブ顧客は直近何ヵ月以内に購入した顧客を指すのか」といったことや、「売上データの数値は税込なのか税抜なのか?」「出荷基準なのか納品基準なのか?」といったことを明確にする情報を指します。メタデータは、こうした担当者や部門ごとに異なりがちな「暗黙の前提」を言語化し、組織全体での共有を促進する役割も担っています。

企業で活用されるメタデータは、一般に次の3種類に分類されます。

・ビジネスメタデータ

主にデータの業務上の意味や、どういう文脈で利用するのが適切か、などを説明するメタデータです。データの計算方法や導出方法、テーブルやカラム(表の列や項目)の定義、利用上の注意点なども含まれます。

・テクニカルメタデータ

データがシステム内でどのように保存・管理されているかを示すメタデータです。物理データベースやカラムの名称、データ型(表現形式)、ファイルフォーマット、アクセス権限など、システム間でのデータ連携に欠かせない情報です。

・オペレーショナルメタデータ

データがいつ、どのように利用・処理されたかを示すメタデータです。データ抽出の履歴や更新頻度、ジョブの実行ログ、エラーログなどが代表例で、主にデータ運用担当者や管理部門で活用されます。

なお、データマネジメントに関する知識を体系的にまとめた書籍として知られる『DMBOK(Data Management Body of Knowledge)2』(2017年)では、これら3種類のメタデータについて、より詳しく整理・解説されています。

メタデータを作成・管理するメリット

企業がメタデータを適切に管理することで、次のようなメリットが期待できます。

(1)データの検索性の向上

データ利用者が活用・分析に必要な情報を見つけやすくなります。データ管理における属人性の解消や、管理者の問い合わせ対応の負担軽減にもつながります。

(2)データの品質向上

データの定義や入力ルールが明確化され、標準化が進むため、データの正確性や一貫性、完全性を保ちやすくなります。

(3)多角的な分析の実現

メタデータごとにデータを抽出することで、さまざまな観点での分析が可能になります。これまで活用が難しかった非構造化データを分析対象として扱えるようになるのも大きなメリットです。

(4)データ連携・統合の促進

共通のメタデータが整備されていれば、部署間・システム間でのデータ連携・統合が容易になり、全社的なデータ活用を進めることができます。

(5)データセキュリティとコンプライアンスの強化

アクセス権限やセキュリティー情報をメタデータとして管理することで、不適切な利用を防ぎ、セキュリティーやコンプライアンス強化に寄与します。

このように、メタデータにはデータ活用における初歩的な課題を解決し、より高度な活用を支える基盤となります。しかし、近年メタデータが注目を集めている理由は、これらのメリットだけではありません。

生成AIの精度向上にも貢献

近年、改めてメタデータが注目されている大きな理由の一つが、生成AIに自社データを活用する際の重要性です。生成AIはデータをもとに学習・推論をおこないますが、データの意味や背景を理解しているわけではありません。そのため、有名な「Garbage In, Garbage Out(ゴミを入力するとゴミを出力する)」という言葉が示す通り、文脈が曖昧なデータを与えると、出力の精度にばらつきが生じてしまいます。

そこで求められるのが、いわゆる「AI Ready(AIが理解・活用できる状態)」なデータ環境の整備です。メタデータもそのために必要な要素であり、データの意味や利用文脈、格納場所などを明示しておくことで、生成AIはより適切な前提のもとで学習や出力をおこなえるようになります。さらに、アクセス権限をメタデータとして管理しておけば、AIが権限を考慮した形で回答をおこなうことも可能になります。

なお、メタデータを付与する際には、まず「誰が」「いつ」「どのような目的で」データを使うのかを明確にし、必要なメタデータを洗い出すのが一般的な進め方です。ただし、データ量が少ない企業であればExcelや社内Wiki、スプレッドシートなどでも管理できますが、データ量が膨大になると人手では対応しきれなくなります。

第2回目記事では、こうした課題を踏まえ、メタデータの作成・管理を効率化するための具体的なソリューション「データカタログ」を紹介します。

全2回データを“価値”に変えるための第一歩——メタデータ管理とデータカタログ

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