#コラム

システム運用の改善とは?課題例や改善プロセスを紹介

  • システム運用を効率良く進めるためには、定期的な改善が必要です。改善では、非効率な運用や形骸化した管理を見直すことによって、労働生産性や資本生産性の向上につなげることができます。

    本記事では、システム運用における改善内容や改善実施のメリットなどについて解説するとともに、改善のための主なプロセスも紹介しますので、役立ててください。

  • システム運用における改善とは

    システムを導入すれば、運用していくうえで必要になるのが改善です。改善といっても、現場によって取り組みが変わってきます。例えばシステムのスリム化、サーバーの負担軽減、システムの仮想化、コスト削減対策などが行われます。改善に当たっては、現場のニーズを取り入れる柔軟な姿勢や、最適なコスト感を反映することが大切です。

    ではどのような場合に改善が必要でしょうか。例えばシステム運用の現場では、予算管理や実績管理が形骸化していて、前年度を踏襲するだけというケースは少なくありません。またユーザーからの問い合わせに対する対応フローが確立されていないと、何回もやり取りして無駄な工数と時間が費やされます。

    こうした問題を解決するには、担当者の作業実態を可視化することが大切です。それによって、作業を自動化したり、無駄な作業を廃止したりすることができます。

  • システムを改善するメリット

    運用システムを改善するメリットは何でしょうか。以下では、改善のメリットについて解説していきます。

    労働生産性の向上

    運用システムを改善することで得られるメリットの一つは、労働生産性の向上です。労働生産性とは、従業員1人あたり、または1時間あたりの、生み出す成果を測る指標です。生産には原材料、機械設備、人などの生産要素が必要ですが、このうち人に注目するのが労働生産性です。労働生産性は、少ない労働量で多くの生産成果を上げるほど労働生産性が高くなります。

    運用システム改善で労働生産性を向上させるには、業務の効率化、働き手のスキル向上が大切です。業務効率化では工程のスリム化や業務分配の見直し、業務の自動化、不要な手続きの廃止などが行われます。

    また自社内で情報システムを保有・運用するオンプレミスを、費用を安く抑えられるクラウドに移行することも業務の効率化にあたります。

    働き手のスキル向上では、特にコミュニケーションスキルの向上が重要です。最適なサービスやトラブル解決では、ユーザーへのヒアリングなどを通して常に情報収集を行うことが必要です。チーム間のコラボレーション推進にもコミュニケーション能力の向上が大事でしょう。

    資本生産性の向上

    資本生産性は機械設備や土地などの資本1単位あたりで、生み出された付加価値額の割合を示すものです。生産要素のうち機械設備などの資本に注目した指標で、保有している資本が利益をどれだけ生み出しているかを可視化できます。

    資本生産性の向上は設備の利用頻度や稼働率の向上、高付加価値商品の開発などによって付加価値額を増加すれば、資本生産性は高くなります。運用システムの改善によって、サービスの利用率を上げることが資本生産性の向上につながります。

    全要素生産性の向上

    全要素生産性とは生産に投入される、労働や資本などのすべての要素に対して生み出された成果物の割合を示すもので、技術革新による生産性を表す指標とされています。通常、労働や資本などすべての要素を数値化するのは困難なので、全体の生産の変化率から労働と資本の投入量の変化率を差し引いて全要素生産性の増減を算出します。

    労働者や資本の投入量を増やしていないのに、生み出された成果物の割合が増えた場合、技術革新やイノベーションなどの外的要因による可能性が高いと考えられます。

    TFPには、技術の進歩、無形資本の蓄積、経営効率や組織運営効率の改善などが含まれ、無形資産としては著作権・ライセンス、デザイン、ブランド、組織などが考えられます。特にイノベーションを通じた生産性の向上の実現には、ブランド戦略を含めたマーケティングや組織改革、人材の育成、研究開発活動、海外の優れた人材の活用などが重要です。

  • システム運用におけるよくある課題とは

    システム運用では、課題を抱えている企業は少なくないようです。以下では、代表的な課題について説明します。

    特定の社員に依存した担当制

    システムの運用に当たっては、各担当者が割り当てられますが、特定の担当者に依存した場合、担当者の不在時や退職後に他の社員が対応できずに業務が停滞したり、業務効率の低下を招いたりします。

    ある業務を特定の社員しか把握していない状況は業務の属人化と呼ばれ、その解消が必要です。

    形骸化した管理

    運用管理の目的が形骸化していて、作業報告に実際の作業が反映されていないケースもめずらしくありません。実績を反映すべき予算案が前年度を踏襲するだけといった形骸化した管理が多く見られます。このような形骸化を防ぐには、担当者のそれぞれの作業実態を可視化する必要があります。

    非効率な運用

    非効率な運用としては、直接運用に関係のない報告・ログの管理などの作業が非効率を生んでいたり、複数のチームでの運用で役割分担が最適化されていないためにチーム間の情報伝達が非効率になったりすることもあります。

    またユーザーからの問い合わせに対応するフローが確立されていないと、非効率なやり取りが行われてしまいます。

  • 改善に向けたプロセスを紹介

    システムの運用では、課題を抱えている企業も少なくないようです。ここでは、その改善に向けたプロセスを紹介します。

    コストの改善

    運用システムのコストの改善では、システム・データベース(DB)・サーバーそのもののコストの軽減が考えられます。複数のシステムを使用している場合や、データベース(DB)を分散させている場合に、これらを統合することでプロセスが効率的になり、ハードウェアが少なくなるのでコストが軽減できる可能性があります。

    ただしコストの削減だけに注力するのは危険です。サービスレベルの妥当性と合わせて議論しないと、サービスレベルを低下させる恐れがあります。

    運用における改善

    システムの運用では、オンプレミスでサーバー・システムを運用していると、障害対応も含めて自社で行わなければならないので、人材育成も含めて大きなコストと時間を要することになります。

    これに対してクラウドシステムを利用することによって、クラウドのサービス提供業者に障害への対応を任せられ、人材育成のコストなどの負担を減らすことが可能です。また近年はクラウドシステムの運用そのものをアウトソーシングするケースも見られます。

    ハードウェアの改善

    ハードウェアについては、データを後から参照するという理由で使わなくなったハードウェアを持ち続けている企業もあります。セキュリティの面でリスクが高くなるうえ、世代が違うハードウェア同士で通信を行うと、通信コストが発生する場合があります。

    したがってハードウェアの改善では、まず使っていないハードウェアは、維持費の軽減のため、早めに処分しなければいけません。通信コストの面からは、できるだけハードウェアの世代を揃えていくことが望まれます。

    パソコンではリースで調達する企業も増加しています。より高性能なパソコンが必要になったときに、すぐに切り替えられるのがメリットです。

  • 運用改善支援サービスを利用するのも一つの方法

    システム運用における改善では、運用改善支援サービスを利用するのも一つの方法です。通常の運用業務を行いながら改善していくことは簡単ではありませんが、近年、ITサービスでは、ITサービスマネジメント(ITSM)が重要な役割を担っています。ITサービスを安定的に提供するとともに、ITサービスを継続的に改善する管理を行うようになっています。

    このITSMの成功事例(ベストプラクティス)を体系化した、ITシステムのライフサイクルマネジメントに関するガイドラインがITILとよばれるものですが、運用改善支援サービスはITILに準拠したITSM が可能で、ITサービスの運用と改善を無理なく行えるツールです。

    これには、社内のITサービスに関する問い合わせを管理するシステムや、継続的な改善を実現するための業務プロセス管理が可能なシステムなどさまざまあります。

    運用改善支援サービスの導入は、改善課題の可視化やレポーティングに役立ち、運用業務の弱点・盲点を把握できるため、顧客満足度の向上にもつながります。

  • システム運用の改善には運用改善支援サービスが有効

    システム運用においては定期的な改善が大切です。改善に当たっては、現場のニーズを柔軟に取り入れる姿勢が不可欠です。管理の形骸化や非効率な運用、属人化した作業などはしっかり改善しなければいけません。

    システム運用の改善は、労働生産性や資本生産性の向上につながります。改善のプロセスではコストの改善、運用の改善、ハードウェアの改善があります。近年は運用改善支援サービスも提供されているので、運用改善方法の一つとして利用するのも有効な方法です。