#コラム

ITサービスデスクの確立と整備

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  • 問い合わせ窓口一本化の実現

    問い合わせ窓口が複数に分かれていると、実際に連絡を入れてくるユーザーが、どこの部署に連絡をすれば良いのか、迷ってしまう場合があります。

    関連会社を含め、複数での受付で対応をしていると、日常的な業務の負担が大きくなってしまいますし、煩雑になったりします。分野の分担が細かくなされている反面、ユーザーにとっては問い合わせしづらく、親切なサービスとは言いづらくなってしまうでしょう。

    一方で、ITサービスデスクを確立し、問い合わせ先を一本化すれば、様々なメリットが得られます。まず、ユーザーから来た問い合わせの情報を一元化出来るため、データの管理がしやすくなるほか、共有もしやすくなるでしょう。

    次に、問い合わせが来た内容について、情報がまとまっているため、優先順位を付けやすく、その後に円滑に処理しやすいです。さらに、同じような問い合わせがユーザーからあった場合に、対応記録をつけておくと、迅速に対応出来るため、サービス力の向上に繋がります。

    ITサービスデスクの管理をまとめ、ユーザーからの問い合わせが来た時、あらゆる内容について対応出来るよう、備えておく事は重要です。情報システムの運用管理において、問い合わせ先が分散しすぎるのは、ユーザーに負担をかけてしまうのはもちろん、問い合わせを受ける自社や関連会社との連携をややこしくする原因にもなります。ユーザーの情報を管理しやすくし、結果的に満足度を高めるために工夫すべきでしょう。

  • エスカレーション自動化の実現

    コールセンターのように、多くの問い合わせを受ける現場では、オペレーター自身がその場では対応が難しい状況になる場合も珍しくありません。その際には、さらに上位である管理者につないだり、スーパーバイザーに交代したりするほか、上位社から指示を仰いでもらったりする事などをエスカレーションと言います。

    ITサービスデスクの管理システムを強化すると、エスカレーションの自動化を実現し、ユーザーの負担を減らす事が期待できます。ユーザーからの問い合わせメール内容を自動で取り込んだ上で、定められたルールにより分類するのです。

    登録されている内容によって分類がされますので、その案件によって、欲求を実現できる部署へエスカレーションし、それぞれのチームがスムーズに対応出来るようになります。

    ユーザーはいざ、問い合わせが繋がったとしても、自身の持つ疑問をスムーズに解決できないと、不満を抱きかねません。ましてや、通話が繋がった状態で待たされたり、他の部署へつなげるための待ち時間があったりするほか、改めて別の部署へ問い合わせてもらうような手間を基本的には嫌います。

    しかし、エスカレーションを自動化する事で、それらのようなユーザーにかかる負担を減らし、満足度の向上に繋げられます。案件のエスカレーションをスムーズに行えるシステムは、ユーザーのためだけではなく、一つ一つの案件をクローズさせていくことで、業務の効率化も図れるでしょう。

  • 利用者とシステム担当者の双方の負担を減らすことが可能

    ITサービスデスクを確立し、十分に整備を行う事が出来れば、利用者はもちろん、システム担当者の双方にかかる負担を減らせます。サービスデスクで問い合わせ先を一本化すると、「どこに連絡すれば良いのかわからない」「問い合わせしてから別の部署に転送される」など、不要な待ち時間や手間を省けるのです。

    たった一つの窓口になるだけで、ユーザーにかかる手間は小さくなり、満足度もこれまでとは大きく変わり、向上していく事は間違いないでしょう。

    また、システム担当者の立場においても、窓口が複数に分かれている場合、情報を共有したり、自身では解決を導き出せない案件を上位にエスカレーションしたりする際に手間がかかります。

    運用チームにて、確実に情報共有出来る事がサービスデスクを確立することは大きな利点の一つで、ユーザーからの問い合わせは、自分の部署である内容がスムーズに回ってきますし、過去に対応した例のある案件であれば迅速に対応出来るので、応対する担当者たちにとっても、対応しやすくなる事でしょう。

    サービスデスクの導入には、業務のフローを大きく変更したり、システム構築が難しかったりする印象が強いかもしれません。しかし実際には、既存の業務フローをほとんど変更しませんし、さらにはシステム構築も簡単に行うことができます。窓口が複数に分かれる現場では、作業ボリュームや管理状況が把握しづらく、対応記録に統一感がなくなってしまう場合があります。

    それは、システム担当者にとって、円滑にユーザーの対応をし、さらに満足いく答えを出すのに時間がかかってしまう可能性がある事ですし、ユーザーにとっても不安がつのる問い合わせとなってしまいかねません。サービス力を高め、顧客満足度を向上させるためにも、サービスデスクを確立するよう検討してみてはいかがでしょう。