#コラム

統合運用管理ツールとは何?
導入メリットや各ツールの比較について

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  • 統合運用管理ツールとは、社内のITシステムを一元管理できるツールです。基本的な機能は、ジョブ管理、可用性管理、パフォーマンス(性能)管理、構成管理、セキュリティ管理、IT資産管理です。

    統合運用管理ツールのメリットは、ITシステムの一元管理ほか、システム運用を24時間365日監視できること、アプリケーションのパフォーマンス向上、IT資産の一元管理などが挙げられます。自社の規模や稼働状況に応じた統合運用管理ツールを導入し、運用管理にあたって社内が抱える課題を解決しましょう。

    今回は、統合運用管理ツールの特徴や基本機能、導入メリット、おすすめのツールなどをご紹介いたします。
    ITサービスマネジメント(管理)ツールの詳細→

  • 統合運用管理ツールとは

    統合運用管理とは、社内システムやサーバ、ネットワーク、セキュリティなど、社内のさまざまなITシステムを一元管理するためのツールです。複雑化したシステム基盤の監視・ジョブの実行・セキュリティ対策の管理などを自動フロー化します。

    統合運用管理ツールを利用することで、人件費削減や業務負担軽減など、社内が抱えるシステム運用に関する課題解決が実現します。また、ほかの運用管理ツールとの連携や構成管理、オートメーション機能、仮想サーバ環境の管理など、システム運用におけるさまざまな機能を利用できます。

  • 統合運用管理ツールの基本機能6つ

    統合運用管理ツールの基本的な機能は次のとおりです。

    1. ジョブ管理

    ジョブとは、システムが処理するプログラムやバッチといった業務の単位、もしくは処理そのものを指す言葉です。ジョブ管理は、定型処理などのジョブのスケジューリングや進捗確認、作業ログなどを監視し、ジョブの処理状態を管理する機能です。

    たとえば、定期作業を自動化できるジョブ管理機能があるツールであれば、スケジューラー機能によって、「業務終了後に毎晩バックアップをとる」「毎月決まったタイミングでメンテナンスレポートを出力する」といった定型処理を自動化することが可能です。また、システム監視の機能があるものなら、対象システムに障害が出た際の対応作業など、事前に定義されたプロセスを自動実行できます。

    2. 可用性管理

    可用性管理とは、ユーザーが要求するレベルのパフォーマンスを必要なときに発揮するために、ITシステムが一定の水準を確保できるよう監視するシステムです。可用性管理には、可用性・信頼性・保守性・サービス性ほか、障害が発生したときに、システムを静止せずに稼働を続ける能力が必要です。

    可用性は、主にSLA(サービス提供元と利用者の間で合意されクオリティ)を基準にした稼働時間に対して、実際にシステムを使える稼働時間の確立を算出した割合を示したものです。

    信頼性は、システムを中断することなく、どれだけ利用できるかを示したものです。決められた計算式で算出したMTBF(平均故障間隔)とMTBSI(平均サービス間隔)の数値によって、信頼性の高さを判断します。

    保守性はシステム停止〜回復までの時間によって、システムの回復能力を示す指標です。

    サービス性は、サービス提供元が合意した可用性や信頼性、保守性を保持する能力です。具体的な数値で表すことができないため、サービス提供元の実績や契約内容をしっかり確認することがポイントです。

    3. パフォーマンス(性能)管理

    パフォーマンス管理は、データ処理能力や処理スピードといったITシステムの基本性能が、一定水準を十分に満たしているかを管理する機能です。パフォーマンス管理をすることで、システム運用の状況に応じた性能向上が必要かどうかを確認できます。

    4. 構成管理

    構成管理とは、ITシステムを構成するハードウェア・ソフトウェア・サーバ・ネットワーク・ライセンス・電源などを管理する機能です。構成要素のライフサイクルを把握・管理することによって、人では把握しきれないリスクやトラブルを回避し、システム運用管理の安全性を高めます。

    5. セキュリティ管理

    ITシステムを運用するうえで必要となるアクセス権限の有無や、セキュリティ管理を行う機能です。閲覧ID/Passの管理や巻号化、アクセス制限、ネットワーク制限、ファイアウォールの構築など、セキュリティの関するさまざまな項目を管理します。

    6. IT資産管理

    IT資産管理は、ネットワーク内のハードウェア、ソフトウェア情報(導入日や使用者、バージョンなど)を収集し、TIシステムにまつわる資産を一元管理する機能です。ソフトウェアのライセンスや更新プログラムの管理を効率化し、業務コストを削減します。

  • 統合運用管理ツールを導入する5つのメリット

    統合運用管理ツールを導入することで得られるメリットとしては、主に次の4つが挙げられます。

    1. ITシステム運用の一元化

    社内のITシステムを一元で管理できるため、システムの構成をひと目で把握できます。システムを構成する要素のどこかでトラブルが発生した際、発生源の要素はどこなのか、どれくらいの影響があるのかなどを迅速に特定し、スムーズな対応ができます。

    2. 運用管理の自動化

    大規模なジョブ管理や複雑な構成管理などの運用管理を自動化することで、業務コストや人為的な作業ミスを軽減できます。また、夜間バックアップなど、勤務時間外の定型スケジュールを人材を使わずに実行することも可能になります。

    3. システム運用を365日監視できる

    統合運用管理ツールを導入することで、システム運用を24時間365日監視できます。エラーや障害が発生した際は、アラート機能によって、管理者にメールやチャットで問題を通知したり、迅速な対応作業で問題を解決したりします。
    運用管理担当者の負担を軽減するだけでなく、企業の人件費を削減しつつ、スムーズなシステム運用が実現するでしょう。

    4. アプリケーションのパフォーマンス向上

    アプリケーションはもっている特性を活かし、最大限のパフォーマンスを発揮するには、稼働状況に応じたサーバ、ネットワーク構築が求められます。
    統合飲用管理ツールを導入すれば、アプリケーションの特徴や稼働状況に合わせたチューニング作業を行うため、アプリケーションのパフォーマンスが劇的に向上します。

    5. IT資産を一元で管理できる

    統合運用管理ツールでは、ハードウェア、ソフトウェア情報、機器のリースやレンタル、保守契約など、社内のIT資産の利用状況やバージョンを一元で管理できます。
    バージョンアップ情報や更新時期の見逃し、ライセンス違反の防止など、円滑なシステム運用が可能です。

  • おすすめの運用管理ツール7選

    ここでは、おすすめの統合運用管理ツールを7つご紹介いたします。
    それぞれの特徴や機能、サービス内容を比較し、自社に合ったツールを導入しましょう。

    1. System Support best1(SS1) 「統合運用管理」

    株式会社ディー・オー・エス提供のIT資産管理ツールです。直感的に操作できる管理画面で、使いやすさを重視。ハードウェア情報取得や台帳管理などIT資産情報の収集、SAMによるライセンス適用化、セキュリティ対策など、IT資産情報を一元管理し、管理者の業務負担を軽減します。
    オプション機能を自由に選択できるため、スモールスタートで運用コストを抑えることも可能です。

    主な機能:機器情報自動収集・ソフトウェア管理・セキュリティ診断機能・ネットワーク接続検知と遮断・ログ取得 など

    System Support best1(SS1) 「統合運用管理」の詳細はこちら

    2. SmartStageサービスデスク

    株式会社クレオが提供する、ITシステム運用のベストプラクティスITIL®準拠のITサービス管理ツールです。組織レベルに応じたスモールスタート&クイックインを実現。既存運用をシステム化できるため、自社に合ったプロセス管理・データ管理への変更・拡張が可能です。
    ノンプログラミングで導入できる手軽さと高いカスタマイズ性で、運用変化にもスムーズに対応できます。

    主な機能:インシデント管理・イベント管理・サービス要求管理・問題管理・ナレッジ管理 など

    SmartStageサービスデスクの詳細はこちら

    3. robostein(ロボシュタイン)

    株式会社コムスクエア提供の純国産システム運用自動化ツールです。業務フローを自動化し、社内で活用するすべてのITツールの統合・管理が行えます。
    50種類以上のテンプレートから、複雑なフローも簡単に自動化できるため、導入・運用の手間がかかりません。
    自動化による稼働状況の可視化が可能なため、稼働効率の把握・分析に活用できます。
    主な機能:フローエディター・稼働管理・自動化効率可視化 など

    robostein(ロボシュタイン)の詳細はこちら

    4. Hinemos

    NTTデータ提供の統合運用管理ツールです。システム運用管理に不可欠な収集蓄積・監視性能・自動化をワンパッケージで提供することで、機能感のシームレスな連携や運用コストの削減を実現します。
    基本的な作業をGUIで行うシンプルな操作性も魅力。純国産で日本語の操作マニュアルが充実しているため、システムを導入・運用していくうえでの情報不足がありません。

    主な機能:システム監視・統合ダッシュボード・ジョブ管理・収集蓄積・構成管理 など

    Hinemosの詳細はこちら

    5. JP1

    日立製作所が提供する、日本製の統合システム運用管理ツールです。端末にインストールするだけで、ITシステムの稼働監視、業務自動化、IT資産管理、インフラ管理が行なえます。
    OSの種類を問わず、複数のジョブを安定して稼働できます。さまざまなプラットフォームほか、仮想化プラットフォームやクラスタ、クラウドサービスなど、幅広い環境に対応可能です。

    主な機能:IT運用自動化・ジョブ管理・統合管理・ネットワーク管理・資産配布管理・セキュリティ管理 など

    JP1の詳細はこちら

    6. AOSMS (統合運用管理)

    ISID-AO提供のシステム運用管理およびマネージメントサービスです。ITILベースの標準ITサービス管理プロセスを実現したことで、インシデント管理プロセス・変更管理プロセス・問題管理プロセスを統一化。運用保守作業をワンストップで行うことができます。
    システムや部署、顧客など、ジャンル毎のレポーティングによって、稼働状況の可視化を実現します。

    主な機能:一次障害対応支援(サーバ)・一次障害対応支援(NW機器)・ITILベース管理・死活監視・トラフィック監視 など

    AOSMS (統合運用管理)の詳細はこちら

    7. ManageEngine OpManager

    ゾーホージャパン株式会社が提供する、マルチベンダー対応のネットワーク監視ソフトウェアです。死活監視、性能監視など、ネットワーク管理で網羅すべき一般的な監視機能が低価格で導入できます。
    追加オプションやアップグレードが可能なため、運用規模の合わせた段階的なスケールアップに対応しています。

    主な機能:死活監視・リソース監視・障害監視・状態監視・ログ解析・可視化など

    ManageEngine OpManagerの詳細はこちら

  • 統合運用管理ツールの導入で効率的なシステム運用の効率化を実現

    都合運用管理ツールを導入し、社内のITシステムを一元管理することで、企業が抱えるシステム運用の課題を解決します。
    統合運用管理ツールは、運用管理に必要な基本機能のほか、さまざまなオプション機能を追加することが可能です。販売されているツールの種類によって、得意分野やサービスが異なるため、自社の稼働状況や課題に合ったものを選びましょう。

    最適な統合運用管理を導入し、自社のシステム運用を効率化することで、業務コストを削減できます。