#コラム

ITサービスの品質管理のために求められるポイントと注意点

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  • ITサービスの品質と種類

    ITサービスは、我々にとって欠かせない身近なサービスの一つになっています。家庭では各種コンピューター、携帯端末と連動しています。そのため、職場、金融機関、各種企業や行政でもITサービスの品質管理は欠かすことが出来ません

    既存のIT技術であったとしても、ソフト面での技術革新や、サービス面での向上は今後さらに見込まれると予想されます。種類としては、情報の管理、保守で画期的な進歩を見せているクラウドサービスや、仮想通貨による各種商業取り引き、金融機関のATMでの決済システムや、各種商取引の連動など、技術革新によって格段とサービスが拡大しています。この傾向は今後、さらに拡大すると予想されています。半導体技術の向上や人工知能(AI)の発達によって、今後さらにこれらサービスが充実し、従来のサービスで不完全だった品質の改善が見られることでしょう。

  • サービスレベル管理の定義について考えてみよう

    ITサービスの品質管理でサービスレベル管理の定義は、一つに安定したサービスを提供できるかがポイントです。再現性が高いサービスは商品として定着し、利用者も拡大していきます。この中で従来のITサービスで問題となった例としては、インターネット回線を利用した場合、利用者の急速の増加によってサーバーが使用できなくなる例などがあります。サービスレベルを管理するためには、現状だけではなく、今後どのような利用者のニーズがあるのか、利用者が増大した場合や、データ通信量が増大したときに現在提供しているサービスが安定して利用者に提供できるのか、使用しているシステムの減価償却費、保守費用などを賄う収益モデルとなっているのか、などを総合的に考えなければなりません。

    また、管理者の技術、サービスレベルの向上も求められることになります。システムの改正、新規技術の導入の場合、現在のスタッフで同様の品質管理や、危機管理を対応できるのかが求められることになります。サービスレベルの低下は既存のクライアントへのサービス低下につながる結果になってしまうため、将来的な展望を持ってサービスを提供しなければなりません。

  • サービスレベル管理のプロセス

    ITによるサービスの品質管理でサービスレベル管理を行う場合、現在のクライアントや利用者、企業で使用しているIT技術でどのような点が不足しているのか、クレームとなっている条件とは何なのかを改めて確認しなければなりません。当然、新規技術には金銭的なコストはもちろんのこと、既存のスタッフに対して、労力面でも負担をかけることになります。

    これらの技術を導入するときに既存のスタッフで十分に導入可能なのかを確認しなければなりません。現状を確認し、品質面で何が必要なのかを確認するための一つの指針としてSLA(Service Level Agreement)があります。現状のサービス技術を担保しつつ、今後どのようなIT技術のサービスが必要なのか検討していく手法です。このためには、利用者がどのようなサービスを今後希望しているのか、社会的ニーズや今後、自社で提供しているITサービスはどのようなものが求められるのかを十分に調査し、導入を検討していくことになります。

  • サービスレベル管理の狙うところ

    ITサービスの品質管理は常に競争にさらされており、急速な技術革新を見せています。そして今後もさらに技術革新は進んでいくと予想できます。その中で、サービスの保守担当をするスタッフの人的資源の確保、新規サービスの導入コスト、新規サービスを導入したときのトラブルの防止、カスタマーサービスの充実など、最終的に利用される方の満足度を高めることを狙いの一つとします。また、企業内で利用されているITサービスにおいては、既存の技術よりもより高いサービスを導入することで、業務の円滑化や、従来発生していた業務の大幅なコストダウンを実行することができます。会計の分野では会計システムの発達により、システムが円滑化され、担当者の業務的な負担を大幅に削減することが可能となりました。

    新規のITサービスを導入する場合は、従来のサービスからどのような恩恵が得られるのか、そのためのランニングコストはどの程度発生するのかを考え、業務面やサービス面で必要性を考慮しながら、長期的な展望を見据えて導入することが肝心です。

    ITサービスの品質管理は、社会的情勢や、クライアントのニーズ、より高い品質やサービスの提供のために欠かすことのできないことです。しかし、十分に事前のリサーチや導入面での準備をしていないと、のちに負担が大きくなってしまう結果になってしまうため、導入前に十分な検討が必要です。よりよいサービスを提供することにより、クライアントの満足度や顧客のリピート率向上につながります。

  • 井上 誠
    株式会社クレオ
    2002年から、さまざまな業務システムSEとしてキャリアをスタートし、100社を超える企業システムの開発プロジェクトに携わる。数多くのIT部門を見てきた経験とITILやITサービス管理への高い知見を生かし、現在はITILエキスパートを取得し、クライアントの課題解決に日々尽力するITサービス管理のエキスパートとして活躍。
    2002年から、さまざまな業務システムSEとしてキャリアをスタートし、100社を超える企業システムの開発プロジェクトに携わる。数多くのIT部門を見てきた経験とITILやITサービス管理への高い知見を生かし、現在はITILエキスパートを取得し、クライアントの課題解決に日々尽力するITサービス管理のエキスパートとして活躍。