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  • 業務プロセス

2022.02.15

 更新日:

2021.06.22

全2回 プロジェクト成功につながるRFP作成のポイント 《連載:第2回》 質の高いRFP作成に欠かせない2つのポイント

前回お伝えしたように、「質の低い=ダメなRFP」を作成してしまうと、結果的に自社に損害をもたらしてしまう可能性があります。では「質の高い=良いRFP」はどのように書けば良いのでしょうか。

今回の記事では、実際にRFPを受け取る側であるベンダーの意見も反映した、「良いRFP」作成のポイント2つを紹介します。

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全2回プロジェクト成功につながるRFP作成のポイント

体裁を整えるだけでは無意味

企業によって書式は異なりますし、プロジェクトの規模によってボリュームも変わりますが、RPFで伝えるべき要素は概ね決まっています。構成に落とし込むと次のようになります。

「プロジェクトの目的・背景」
「必要とするシステムの機能要件・非機能要件」
「プロジェクトの概要(予算・納期含む)」
「その他の条件」

RFPに求められるのは詳細さ(深さ)よりも網羅性。ただし、上記項目をただ穴埋めして体裁を整えるだけでは良いRFPとは言えません。RFPを書く上で意識するべき重要なポイントが以下の2点です。

  • ステークホルダー(特にユーザー)の意見を盛り込む
  • 目的と背景は、現状の課題点も含めて具体的に書く

RFPを作成する目的は、単に最適な提案を受けるだけにとどまりません。最終的にプロジェクトを成功させ、企業の成長につなげるところまで含まれます。そしてそのためには、自社のステークホルダー全員がしっかりと腹落ちした内容であることが必要です。

特に重要なのが、実際にシステムやツールを使用するユーザーの意見です。当然ITに関する知識が乏しいユーザーであれば、抽象的な要望になるかもしれません。しかし、経験豊富なベンダーであればあるほど読み取る力を持っています。精度の高い提案を受けるためにも、プロジェクト終了後に社内でクレームが噴出しないようにするためにも、漏れなくピックアップすることが大切です。下書きの段階でレビューしてもらうのも良いでしょう。

もう一つの「目的と背景の具体化」ですが、目的には「このシステムを使ってどのような効果を狙っているのか」という未来像、背景にはビジネスや現場の現状課題、およびシステム全体における開発・リプレイスするシステムの位置づけなどが含まれます。

例え流行のITツールを導入するにせよ、現状のシステムや課題が異なっていれば企業によって得られる効果は千差万別ですし、ベンダーも最適な提案ができません。また、経営層からのトップダウンによるプロジェクトであっても、現場を含めて合意形成ができていなければプロジェクトのモチベーションに影響しますし、せっかく開発したシステムが有効に使われないといった事態にもつながりかねないからです。

目的を具体化する上で効果的なのは、「業務効率化」や「スピードアップ」のような言葉だけではなく、できるだけKPIなどの数値目標を明記すること。背景に関しては、全社的なプロジェクトであれば経営者の考えや想いを記載するのも良いでしょう。

他にも細かいことを言えば、システム構築上のリスクや、保守・運営も関わる案件であれば委託範囲を明記しておくとも大切です。RPFは自社とベンダー間の責任関係を明確化する文書でもあるからです。

RFP作成スキルの向上が企業成長につながる

以上、RFPの基本的かつ重要なポイントを紹介してきましたが、とはいえ、すべての案件でRFPが必要というわけではありません。小規模なプロジェクトや、あらかじめ取引の長いベンダーに発注することが決まっている場合は、RFPを作成しないケースもあります。

特に近年はDXの盛り上がりにともない、従来のウォーターフォールモデルではなく、アジャイル型の開発が主流になりつつありますが、発注者と受注者の共同開発の側面が強く、計画もあってないようなアジャイル開発では、RFPどころか全くドキュメントを作成しないケースも少なくありません。その是非についてはここで問いませんが、であれば尚更、RFPの重要ポイントである2点、ユーザーからの要望とプロジェクトの目的・背景の明確化は必須と言えるでしょう。

叩き台としてプロジェクトや成果物の質を向上させていけるという点においても、また今まで取引のなかった優秀な新規ベンダーの開拓につながるという点においても、RFPは発注者・受注者間のコミュニケーションツールと言っても過言ではありません。

だからこそ、前回紹介したような自己中心的な書き方は論外ですし、そのために、RFPの質以上に成果物の品質を高くすることはできないということ、そして開発手法にかかわらず、プロジェクトは発注側・受注側の双方で協力して進めていくものという認識を持つことが大切です。

新型コロナウイルスの感染拡大によって、あるいは「2025年の崖」を乗り越えるために各社DX(デジタルトランスフォーメーション)の取り組みが加速する現在、IT部門が企業成長に貢献するためには、RFP作成スキル=提案依頼スキルの向上が不可欠であることは間違いありません。

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SmartStage編集部

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